マイケル・ジャクソンは殺されたのか? −過失致死容疑をめぐるニュース

 
 
 マイケル・ジャクソンの死因をめぐり、様々なニュースが交錯している。
 
 米国では、マイケルの専属医であったコンラッド・マーレイ医師に過失致死の疑いがもたれていて、近々彼を逮捕するのではないかという噂が駆け巡っている。
 
 

 
 このニュースを整理すると、次の通りになる。
 
(1)全身性エリテマトーデスなどの病魔におかされていたマイケル・ジャクソンは、医師たちが自分の望むように薬を処方しないことが不満だった。その痛みは、彼のダンス・パフォーマンスを著しく低下させたからである。
 
(2)そこでマイケルが目をつけたのが、コンラッド・マーレイという医師。彼には多額の借金があったが、マイケルは月給15万ドル(約1,500万円)という高額のサラリーで、彼を新たな主治医とする。
借金まみれ!マイケルさんの元専属医師、ズサンな過去が露呈 - シネマトゥデイ
 
(3)マイケルの皮膚科医であるアーノルド・クライン医師は、マーレイ医師がマイケルの要望にこたえ、鎮痛剤を処方していることを批判。このままでは薬物依存になると警告するが、公演をひかえた「This Is It!」に万全の姿勢でのぞむために、マイケルは友人であるクライン医師の助言を一蹴する。
 
(4)そして、マーレイ医師は、マイケルの「さらに強力な鎮痛剤を」との求めに応じて、麻酔剤プロポフォールを投薬。それは、病院でしか処方することが許されない劇薬であった。その24時間以内に、マイケルの心肺機能は停止。マーレイ医師の懸命な措置にかかわらず、マイケル・ジャクソンは死亡した。
 
※25日に、より詳細なレポートが公開されたようです。
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200908250002.html
 
 これがどれだけ事実なのかはわからないが、決して、マーレイ医師に殺意があったわけではない
 むしろ、彼はマイケルに専属医をクビにされたくなかったために、医者のモラルに反して、通常では許されない劇薬を与えたのではないかと推測されているのだ。
 
 
 このニュースが、2chでは次のような反応になる。
 
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51502288.html
 
 早くも「陰謀論」が持ち上がっているようだ。
 確かに、BLACK OR WHITEのPVで、マイケルがKKKなどを批判するアクションをとったことは事実だし、それが一部の白人の反感を招いたことも事実である。
 だが、「業務上過失致死」の疑いで逮捕されるかもしれないというニュースが流れただけで、どうして、それを「明確な殺意による殺人」と受け止めるのだろうか。
 
 おそらく、そんな彼らを満足させる「もっともらしい嘘」が作られることになるだろう。それは、日本人に適した物語に置き換えられるだろう。そして、それは、陰謀論を信じたがる人には「真実」と映るのだろう。
 
 悪いのは、そんな「もっともらしい作り話」を信じる大衆心理にあるのだろうか。「もっともらしい作り話」を発信するメディアにあるのだろうか。
 
 どちらにしろ、その「もっともらしい作り話」に生前のマイケルが苦しみを受け続けたのは事実である。その偉大なる魂が戻ってくることはないが、ファンであるのならば、そのようなことに関わらないように努めるべきだと思う。
 
 
 その突然すぎる死の真相を知ることで気を静めたいファン心理はわかるが、マイケル関連のニュースは、生前のそれと同じように信頼に足る情報はごくわずかである。
 僕はこのニュースを「可能性のひとつ」として受け止めているにすぎない。
 
 そして、コンラッド・マーレイ医師が、業務上過失致死の疑いで犯罪性があったとされても、法医学ではともかく、そんな彼を主治医にしたマイケルにも問題があったのではないか。
 
 これは、ジャクソン家やレコード会社など、権利を持つ人たちにとっては重大な問題である。しかし、それでいかなる判決が出たとはいえ、マイケル・ジャクソンは戻ってこない。残念ながら、ファンにはあまり関係のない話である。
 
 
 そんな信用性のない噂にやきもきするよりも、10月28日に映画化される「This Is It!」に期待するのが、ファンの正しいあり方だろう。
 
マイケル・ジャクソンさん最後の映画、日本での公開と邦題が決定! - シネマトゥデイ
 
 マイケルのパートナーであったケニー・オルテガ監督は「非常にプライベートで、天才のクリエイティブな世界を見せることになる」と語っている。
 
 マイケルのことを詳しく知らない人には、この映画よりも、「ライヴ・イン・ブカレスト [DVD]」を見るのが先だと思うが、僕はマイケルがその生命をかけて表現しようとしたパフォーマンスがどのようなものであったが、期待している。