「涼宮ハヒルの消失」―１時間におよぶ映像作品がYoutubeで公開中！

いつまでたっても明らかにされない「涼宮ハルヒ」シリーズの続編アニメ。
最新刊として予定されている「涼宮ハルヒの驚愕」は、一年近く延期しつづけて、まだ発売日すら決まっていない。
そんななか、シリーズ最高傑作と称される「涼宮ハルヒの消失」が、ファンにより、一時間以上の映像作品として、Youtubeで公開されているのをご存じだろうか？
ただし、ハルヒではなく、ハヒルである。
涼宮ハヒルの憂鬱（18禁）
実はこれ、「涼宮ハルヒの憂鬱」をパロディ化したアダルトビデオである。しかし、かなり気合の入った再現度であったために、一部のファンには熱狂的に支持されている作品。
脚本は原作そのまま、という芸の無さはあるが、ここまで、女優をマジにさせるとはたいしたものだと感動できる。制作スタッフの原作へのリスペクトを最大限に感じることができる作品である。
（しかし、よく予算下りたな）
涼宮ハヒルの憂鬱オープニング
そして、こともあろうに、まだアニメ化されていない「涼宮ハルヒの消失」をそのまんま流用した「涼宮ハヒルの消失」なんてものも作られてしまった。
涼宮ハヒルの消失（18禁）
これまた、なかなかの出来である。そして、親切なことに、Youtubeで１時間におよぶ「全年齢対象版」が公開されている。
（なお、エンディングでは、原作では語られなかった「トナカイキョンの一発芸大会」まである）
どう考えても、内部の人間が編集したとしか思えない「全年齢版　涼宮ハヒルの消失」。原作読んでない人は、さすがにキツいと思うが、原作ファンはそこそこ楽しめると思うので、ここで紹介する。

個人的に良かったのが、プログラム起動条件が整ったときの部室のカメラ位置。原作では描かれなかった、彼女の心象をよくとらえていると感動した。
その他、キョンが涼宮＆古泉に説明する言葉とか、随所に見られる原作のアレンジも、なかなか的を得ているところもある。世界観を壊さないように、過度なユーモアはおさえられている。「森のくまさん」も前作「ハヒルの憂鬱」を見ている人には納得の一場面である。男優も女優も真面目に演技していて、見ていてほほえましい。
もちろん、説得力は乏しい。原作を読まない人に、良さを伝えることが難しいと思う。ただ、二次創作の一つとわりきってしまえば「なるほど、ここはこう表現するか」「いやいや、ここはこうだろ」と制作スタッフと魂の対話をすることができる。
もし、映画監督を目指したい人がいるならば、意外とこの作品は参考になるかもしれない。この映画のどこがダメなのか。良い映画を一つでも多く見るのも当然のことながら、こういう「映画よりも低予算の作品」を見ることも大事だと思う。

ちなみに「らき☆すた」も同じような目にあっている。
「きら☆すた」（18禁）
この「きら☆すた」もYoutubeで「全年齢対象版」が公開されているので、ヒマな人は見てみよう。
こういう企画が嫌いな人でも、泉こなた役の人がかなり頑張っていることは評価してあげてほしい。あれ、平野綾、たいしたことない？　と思わせるぐらいの演技力は見せてくれる。

【Youtube】Kira☆Star / きら☆すた【全年齢対象版】 (1/5)
http://www.youtube.com/watch?v=nDC5qocsgYE

Youtubeということで、OPで「もってけ！セーラーふく」がそのまま使われている。
（製品版では、それに良く似た音が流れるだけだった）
【Youtube】Kira☆Star / きら☆すた【全年齢対象版】 (2/5)
http://www.youtube.com/watch?v=SXb3zo-33n4

もちろん「らっきー☆すてーしょん」なんてものもある。なかなか芸が細かい。
【Youtube】Kira☆Star / きら☆すた【全年齢対象版】 (3/5)
http://www.youtube.com/watch?v=lD7xKtxmBrA

だんだん女優がアドリブをするようになる。所詮はＡＶ女優さ、とわりきって見ると、彼女たちの精神状態がわかって良い。ていうか、主演のさくら奈々ちゃん、がんばりすぎ。
【Youtube】Kira☆Star / きら☆すた【全年齢対象版】 (4/5)
http://www.youtube.com/watch?v=yLxyfY0Y9fI

今作品、本編30分はアダルトシーンが一切なしという、常識を打ち破った構成である。アダルトシーンは、100分あまりの特典映像という形で、体裁を保つ形で収録された。
【Youtube】Kira☆Star / きら☆すた【全年齢対象版】 (5/5)
http://www.youtube.com/watch?v=uDRRTgOYFGQ

メイキング編。実際に「らき☆すた」アニメを見て、勉強しているＡＶ女優たちがいじらしい。ていうか、監督がノリノリすぎて困る。本業であるアダルトシーンの撮影で、これぐらいのやる気を見せているかどうか、激しく気になるところ。

こういう作品を認めないファンがいるのは当然だと思うが、原作を読んでいない二次創作も少なくない同人漫画に比べると、はるかにマシな内容である。演技力の無さは折り紙つきで、オタクに対する偏見が取柄のＡＶ女優たちを引っ張って、よくぞ、ここまでの作品に仕上げたものだと感心してしまう。
アニメの実写化については、いろいろ批判が多いものだが、今作品は原作に対する愛がいたるところに感じられて、思わずニヤニヤしてしまう。もちろん、これが実写映画化だったら「ふざけるな！（主にキャスティング）」と怒るが、アダルトビデオ発Youtube経由となると「たまにはこういうのもいいか」と楽しめるのではないか。

もちろん、こんなＡＶ見るよりも、ただいま全国上映中の「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」を見た方が、ライトノベルの実写映像化について学ぶところは多く、はるかに有益な時間をすごせるわけだが。