我が二次創作遍歴

 
 しょうこりもなく、また、このブログで二次創作小説を連載することにした。
魔法少女さやかのソナタ -The Sonatas for Magica Sayaka-
 
 
 
 さて、僕の二次創作のスタンスは、同人漫画サークル「蛸壷屋」のものに近いと思う。
蛸壷屋C76「けいおん!」新刊、卒業後の桜高軽音部員の物語
 
 それぞれの登場人物の可能性を追求して、着地点の異なる群像劇を構築するという作業は、なかなか楽しいものである。ファンの人が冷静に読めば「この人は原作をこういうふうに受けとめたのか」と納得することができるだろうし、言っちゃなんだけど、原作を知らない人でも楽しめるだろうし。
 
 ちなみに、原作に忠実な二次創作というものも、いちおう、僕は書いている。
 ただし、それは「レビュー」という形になっているのだけれど。
 
【レビュー】涼宮ハルヒの憤慨 (紹介者:涼宮ハルヒ)
【レビュー】涼宮ハルヒの陰謀 (紹介者:鶴屋さん)
 
 涼宮ハルヒのレビューでは、キョン視点で書かれた本編を真っ向から否定して、自分の立場でストーリーを紹介し、あまつさえ団員の採点もしている。
 鶴屋さんのレビューでは、彼女の知り得る情報にかぎりあるために、ほとんど本の内容がわからないものになっている。
 その他、「消失」以降の「ハルヒ」シリーズを、登場人物に紹介させている。ネタバレを抑えつつ、原作ファンであればあるほど楽しめる内容に仕上がってると自負している。
 
 こういう、異なるキャラ視点で、本を紹介するという試みは、なかなか楽しい遊びだと思うので、ぜひとも流行らせたいものだ。
 
 
 では、その他の二次創作を簡単に紹介。
 



 

涼宮ハルヒコの憂鬱

 -KYON's Observations on "Captain HARUHIKO"- 
 
http://d.hatena.ne.jp/esu-kei/20080312/p1
 
 ニコニコ動画で「性転換ハルヒ」を知ってから、すぐに書き始めてしまったキョン子シリーズ第一弾。
 サイズは200KB、つまり全角十万字である。
 もともと、「涼宮ハルヒ」シリーズは、今では珍しくないけれど、女が男を引っ張るという構図が目新しいと評価されていた。では、男が女を引っ張るという当たり前の構図にして、物語が成り立つかどうかを実験したのが今作。
 古泉が入ってくるあたりまでは、ほぼ原作準拠だが、そこからはまったく別の物語になるという詐欺みたいな作品だが、読んでくれた人にはわりと好評だった。
 ただし第四章の「おとこ岩」以降のエピソードは納得できていない。うまく手を加えられたら、もっと読後感はすっきりするだろうと思う。
 



 

涼宮ハルヒコの溜息

 -Making of "The Pure Love Fighter MITSURU"-
 
http://d.hatena.ne.jp/esu-kei/20090715/p3
 
 「涼宮ハルヒコの憂鬱」の続編であるキョン子シリーズ第二弾。
 原作の「溜息」とは、映画制作をする以外に共通点はまったくない。
 「ハルヒ」とは異なる魅力がある「ハルヒコ」の世界を楽しんでもらえると思う。
 しかし、オチは考えているものの、そのときに、いろいろやりたいことがあったせいで、連載が途中で止まっている。
 要望が多ければ、最後まで書くかもしれない。
 



 

◆あふたー・ざ・けいおん

 
http://d.hatena.ne.jp/esu-kei/20090818/p2#plot
 
 「ハルヒコの溜息」が連載途中で尽きたのは、その時期に出た、蛸壷屋「けいおん」同人誌が面白くて、その後日談を僕なりにまとめてしまったからである。ただし、あらすじだけで、小説という作品としては仕上げられなかった。
 なお、蛸壷屋の人は、このあとに二冊出して、三部作としてきちんと完結させた。すごいものである。さすがは、あの傑作「松陰神社」の作者である。
 やはり、小説化する前に、べらべら書いてしまうのは良くないことだ。余計なことを言わず、じっくりと自分の中で熟成しないと、まともな物語は作れないのである。
 



 

◆やる夫シリーズ

 
やる夫がキリストになるようです。 (外部サイト)
http://yaruomatome.blog10.fc2.com/blog-entry-240.html
 
やる夫・チェ・ゲバラが革命を起こすようです (外部サイト)
http://waranote.blog76.fc2.com/blog-entry-1213.html
 
やる夫が伊藤博文を暗殺したようです
http://d.hatena.ne.jp/esu-kei/20100419/p1
 
 
 一昔前に流行したやる夫シリーズも、僕の中では二次創作という位置づけである。
 
 「キリスト」は、今読み返すと、あまりにも浅学な聖書知識に我ながら情けなくなるのだが、さりとて、今の知識ある自分が、もっと感動を与えられるかといえば、その自信はない。素人だからこそ書ける面白さというものがあるのだなあ、と思う。
 
 「チェ・ゲバラ」は、第二回と第三回が、我ながらよく書けていると思う。会社辞めたり家を追い出されたり放浪したりしているうちに、資料となるべき本を完全に紛失してしまって未完に終わっているが、死ぬまでに何らかの形で完結させたい。本当に書きたかった部分、共産主義がいかにして潰えたのかを、どう描くかというアイディアは、まだ頭の中に残っているし。
 
 「安重根」は、やる夫ブームが終わったときに作ったもので、一スレ完結。右翼や左翼という思想を抜きにして、明治時代に外地に赴いた日本人の理想と現実をうまく描いたつもりではある。演劇向けに書いているので、ト書きにしたほうが読んで面白いかもしれないが、内容が内容だけに、どこかで上演されるということは難しいだろう。