「魔法少女さやかのソナタ」のための覚書
「魔法少女さやかのソナタ -The Sonatas for Magica Sayaka-」は、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』をノベライズしたものです。
アニメとは違って、登場人物のひとり「美樹さやか」を主人公して、物語を再構成しています。
原作アニメに忠実な二次創作ではありません。
なぜならば、美樹さやか視点となると、上条恭介や志筑仁美といったキャラの人物造形を練り直す必要にせまられたからです。
原作アニメでは、新鮮な驚きをもたらすことを重視した演出のため、彼らの描写がおざなりになっていたと僕は感じました。
また、アニメにはアニメの、小説には小説の良さがあります。
小説の魅力をいかすために、キャラの特性に縛られずに物語を展開しています。
公式ノベライズではありませんので、各キャラへの違和感は、ある程度、大目に見ていただければ幸いです。
この作品で、彼女たちはアニメと同じ運命をたどりますが、その筋道は、やや異なっています。
フィクション作品は、それぞれ独立し、完結した宇宙でなければならないという持論が僕にはあります。
だから、この作品は、いちおう、原作を知らない人でも問題なく楽しめるように書いています。
ただし、人々の注目を集めた『魔法少女まどか☆マギカ』の劇的な演出を味わいたいのならば、アニメを見る前にこの作品を読むべきではありません。
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