俺のもっとも好きなRPGフィールド曲
先日行われた、僕の脳内会議の結果、RPGフィールド曲でもっとも素晴らしい楽曲は、スクウェアの「聖剣伝説2」(SFC1993年)の「遠雷」に決まりました。
例えば、こんなランキング。
⇒みんなで決めるゲーム音楽ベスト100とは (ミンナデキメルゲームオンガクベストヒャクとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
このページによると、「ドラゴンクエスト3」の「冒険の旅」のような勇ましい曲のほうが世間では人気が高いようだ。
しかし、「ドラゴンクエスト5」の「地平の彼方へ」のような、簡潔ながらも広大さと物哀しさを備えたフィールド曲が僕の好みなのである。
ドラクエ5は、三世代に及ぶ主人公一家を描いた野心作だが、その時間軸の長さに関わらず、フィールド曲は、これ一曲で通すのである。少年時代、若者時代、父親時代、すべてこの曲なのだ。見事ではないか。
「ファイナルファンタジー」シリーズだと、やはり「FF7メインテーマ」が印象深い。
プレイステーションで実現可能になった3Dフィールドとこの音楽は、衝撃的かつ革命的だった。
でも、映像の表現力が高まるにつれて、ゲームでしか伝えられないシナリオの貧弱さを露呈させることになったのだけれど。
このように、僕は日本二大RPGのフィールド曲に敬意を抱いているが、その一方で、フィールド曲と戦闘曲で、ガラリと雰囲気が変わるのが嫌いだった。
ランダムエンカウントはストレスがたまりやすい。画面が切り替わると、すぐに「逃げる」を選択するようになると、コロコロ変わる音楽が耳障りになった。
今では、フィールド移動と戦闘をシームレスにしたRPGが増えてきたが、かつてのRPGにそれを求めるのならば、アクションRPGとなるだろう。
アクションRPGのフィールド曲は、フィールドを旅する音楽でありながらも、戦いの最中で流れる音楽でなければならない。
だから、アクションRPGのフィールド曲は、勇ましい楽曲がほとんどだった。
ゼルダの伝説や、初代聖剣伝説などである。
ところが、「聖剣伝説2」のフィールド曲は異なっていた。
最初に流れるフィールド曲が「少年は荒野を目指す」
この曲を聴くと、魔女の森の不思議な情景が思い浮かぶ。
「聖剣伝説2」という作品は、バグが多かったし、操作性は快適と言いがたいものだったが、その「世界観」はとても好きだった。
菊田裕樹による音楽は、それまでのRPGとは異なる空気を演出することに成功したと思う。
次に紹介するのも、「聖剣伝説2」のフィールド曲の一つで「森が教えてくれたこと」
ニコニコ動画では有名な「まやろーやる」作品。
この人は、ラテン語で歌うこともできる謎の歌姫だが(→参照)、この「森が教えてくれたこと」は、ハナモゲラ語で歌っている(と思う)。こういうのを聴くと、単語の意味なんてどうでもいいと思っちゃいますね。
僕は「聖剣伝説2」を、クオリティの高い作品だとは思わない。
アクション性はイマイチだったし、今となってはストーリーを全然覚えていない。
ただ、BGMとあいまった情景はとても好きで、最近でも先に紹介した「遠雷」が頭の中で鳴り響くことがある。
あと、個人的には、フィールド曲と戦闘曲は、無理にわける必要はないという持論を持っている。戦闘がボタン連打の作業にすぎないのだったら、いっそのこと同じBGMで流してほしいものだ。
時には夢の世界のように、おだやかなBGMに包まれて、夢うつつの居心地のまま、モンスターを倒し続けるようなゲームがあってもいい。
で、実はそれがモンスターじゃなくて人間だったなんて、サイコパスなストーリーとかね。
【追記】
聖剣伝説2のオープニング。
最初の不気味な効果音といい、鳥が羽ばたくシーンといい、この素晴らしさは決して技術力とデータ容量だけで表現できるものではないと思う。
また、この光景がゲーム内で叶わなかったものであるところも良い。FF7の「エアリスと飛空挺」の映像に似て。