日本の経済は、藤井裕久(77才)に委ねられる模様

 
鳩山政権、藤井財務相で調整 直嶋氏も入閣へ
 
 正式決定ではないが、大方の予想通り、藤井裕久(77)が財務大臣に就任する方向で話が進められているらしい。
 
 77才という高齢での要職就任に、小泉内閣塩爺塩川正十郎)を連想する人がいるかもしれない。
 しかし、藤井裕久(77)は、民主党きっての経済通として知られている。民主党政権公約も、藤井(77)の助言のもとに作られたという。
 決して彼はお飾り大臣にはならないだろう。
 
 おそらく、藤井(77)と直嶋正行に、これからの日本経済は委ねられることになる。
 
藤井裕久 - Wikipedia
直嶋正行 - Wikipedia
 
[藤井裕久関連ニュース]
インタビュー:円安誘導の政策は間違い=藤井・民主最高顧問 - ロイター
為替こうみる:藤井・民主最高顧問は大所高所から発言 - ロイター
 
 
 選挙前に、昨夜の麻生首相と鳩山代表の党首討論雑感という記事で書いたが、民主の新人候補の将来性には期待が持てる。ただし、その人材育成には長い年月がかかるだろう。
 
 指導力でいえば、麻生総裁と鳩山代表ならば、麻生のほうが上だと、今でも僕は考えている。
(これには異論が多いと思う) 
 
 問題は、経済担当である。
 麻生内閣だと与謝野馨(71)で、民主党だと藤井裕久(77)である。
 十年以上前ならともかく、今の藤井(77)に経済大臣が務まるのか不安だ。
 与謝野には健康問題があったが、政府の第一線として働き続けただけの実行力があり、悲愴なまでの不退転の意志を国会でアピールし続けた。
 今の藤井(77)に日本の経済をゆだねるだけの実力と体力があるだろうか。
 
 民主党政権公約実行については、早くも無理が生じている。
 
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009090400898
 
 全国知事会会長の麻生渡から、このような要請が出ている状況だ。
 
 
 個人的にいえば、あの政権公約を無理に実行する必要はないと思うが、そうすれば、一年後の参議院選挙で大敗するのが目に見えている。
 幹事長になるといわれる小沢一郎が、選挙対策として、そんなことを許すだろうか。
 結局、鳩山由紀夫は国民にわかりやすい「マニフェスト実行」を目指すしかないのではないか。
 
 そして、その財源をやりくりするのが、藤井裕久(77)であるらしい。
 
 
 戦前の話をしよう。日本の敗因は、1945年8月のソ連満州侵攻にあるが、日本の関東軍はそれに対して無策だったのではない。
 すでに、1944年にソ連対策については、参謀本部で話し合っているのだ。
 
 そして、1945年6月から、ソ連戦に向けた配置替えが始まっている。それが終わるのは9月だった。つまり、8月9日の侵攻は、再編成中に行われたのである。
 三ヶ月なんて悠長なことを、と言われるかもしれないが、敵国にも知られず、また、数十万の軍勢を動かすのには、それぐらいの時間がかかるのだ。
 
 
 このような例を知っている身としては、予算を凍結しただけで、7兆円の余剰が出ると公言した藤井(77)のことが信用できない。国民に向けたウソであったほうが救いがある。
 家計と同じように、国の予算も「自由に使える」額は限られている。
 もし、家計が危機になると、主婦はそれを減らそうとする。外食をやめたり、旦那のお小遣いを減らしたり。それはすぐにでも実行できる。
 だが、国の予算の場合、国会審議を通過したとなれば、おびただしい人物が関連するようになる。
 14兆円の補正予算となると、関わる人間は数千人というレベルではない。
 そして、彼らがそのために関わった仕事量を無駄にするわけである。これは、大きな国の損失ではないだろうか。
 
 もちろん、公共事業を絶対視するのは問題だ。
 僕の故郷では、有名な「吉野川第十堰問題」が起きた。それは、環境問題としての観点から、市民投票が行われ、最終的に反対派の知事が選挙で当選したことで、中止されることになった。
 民主主義なのだから、そのような住民運動は認められるべきだ。
 ただ、今回の例は、あまりにも広範囲にわたっている。そして、個々の事案を見直せば見直すほど、来年度以降の対応が遅れることになる。
 
 できれば、民主政権には、以下の公約はやめてもらいたい。
(1)補正予算の凍結、(2)郵政民営化の中止、(3)後期高齢者医療制度の廃止
 これらを実行すると、混乱に陥るだけではないかと思う。
 
 それよりも、来年度の予算で新機軸を打ち出してほしい。
 民主党には、未来に目を向けてほしいのだ。
 ところが、その来年度予算の目玉である「こども手当て」のためには、補正予算を凍結しないと、財源が得られないという。こんな無茶な話はない。
 
 民主党きっての経済通が77才というのは、その人材の無さを象徴していないだろうか。
 だから、僕は今回の選挙で自民を支持したのだ。
 
 
 ということで、僕はあいかわらず、民主新政権に悲観的である。
 
 
【追加情報】
民主、概算要求基準を廃止…再提出指示へ - 読売新聞

 民主党は5日、麻生政権が7月に決めた2010年度予算の大枠を定める概算要求基準(シーリング)の廃止を、今月下旬にも閣議で決める方針を固めた。
(中略)
概算要求の再提出は10月半ばごろになる見通しで、年内に予算編成を終えることが厳しくなるとみられる。予算編成の遅れが国内景気に悪影響を与える恐れもある。

 
岡田外相起用、「体よく追いやられた」の声も - 読売新聞

岡田氏には、財務相への起用論もあったが、消費税率引き上げに積極姿勢を見せるなど、財政出動による景気刺激より財政再建を重視する立場だとされ、起用が見送られた、との見方もある。岡田氏が財政再建路線を前面に推し進めるようなら、衆院選政権公約マニフェスト)に盛り込まれた政策実施の妨げになりかねないとの懸念も、鳩山氏らにはあったようだ。

 
 まだ、岡田のほうが財務大臣は良かったと思ったりする。ただ、鳩山の次の総理のことを考えるならば、外相をつとめてくれたほうが、政治家岡田克也の資質をはかることができる。