ディランノーベル賞、スマホ愚痴、シンゴジラ、ヱヴァQとか

 
 これは、スマホだけでブログ編集できると期待していた僕が、Androidの使えなさに絶望し、Windowsテキストエディタで書いた雑記である。
 

◆ ボブ・ディランノーベル文学賞

 
 今年のノーベル文学賞ボブ・ディランになったらしい。
 最近、女子の間で「ロックだぜ!」という謎の決め台詞が流行していることにウンザリしている僕には、実にめでたい話である。
 ディランを聴いて、ロックンロールとはなにかを知ってもらいたいものだ。
 
 そもそもロックンロールとはなにか、といえば、その単語が生まれたエルビス・プレスリーの「ハートブレイク・ホテル」を聴くと良い。
 

Elvis Presley - Heartbreak Hotel - Lyrics - YouTube
 
 失恋して死にたいときに心に響くのがロックンロールである。
 「孤独」と「自殺」がロックンロールの永遠のテーマである。
 満たされない正義感を、赤の他人の勇気に押し付けて、それを賞賛するために「ロックンロール」という音楽はあるのではない。
 
 さて、僕がボブ・ディランのなかで一曲を選ぶとなれば「ジョーカーマン」となるだろうか。
 

Bob Dylan - Jokerman - YouTube
 
 この公式PV(当時はお蔵入り)をご覧になればわかるとおり、ジョーカーマンとはイエス・キリストのことである。
 どういう歌詞か知りたい人は、例えば、下のブログ記事を参考に。
 
http://suesuo.blog.fc2.com/blog-entry-652.html
 
 四番の歌詞で「レビ記申命記があなたの師」という表現が出てくる。
 レビ記申命記旧約聖書モーセ五書の一つである。イエス・キリストの思想でもっとも重要なのは「神への愛」「隣人愛」を説いた黄金律となるが、この出典が申命記6:4-5とレビ記19:18である。
 さらにいえば、マルコ福音書には書かれていない悪魔との三問答でイエスが引用したのは、すべて申命記である。イエス(というより福音書作者)は申命記の思想に強い影響を受けているのだ。
 
 と、難しいことは抜きにして、この曲のサビのフレーズは本当に美しい。
 

Jokerman dance to the nightingale tune
ジョーカーマンはナイチンゲール(夜鳴鶯)の調べに合わせて踊る
Bird fly high by the light of the moon
鳥は高く飛ぶ、月の光を浴びて
Oh, oh, oh, Jokerman

 
 この曲のライブバージョンもいい。
 

Bob Dylan - Jokerman (Live - letterman'84).mpg - YouTube
 
 レコード版とアレンジがまったく違うのはロックンロールだからである。
 このテレビライブのときに後奏でハーモニカをディランが探すシーンは有名だ。
 もともとリハーサルではハーモニカを吹く予定ではなかったのだが、本番は調子に乗ったのでライブのときのようにハーモニカを吹こうとしたが見つからずに探すという場面である。
 テレビでは異例の行動だが、ライブではよくあることだ。
 
 ディランの曲で僕がもっとも聴いたのは「メンフィス・ブルース・アゲイン」のレコード版だろう。アル・クーパーのオルガンの旋律が心地よい曲である。
 ちなみに「メンフィス・ブルース」とはロックンロールのことである。なぜか知りたい人は自分で調べるといい。世の中にはWikipediaを見ただけではわからないこともある。
 

◆ スマホ愚痴

 
 
 数独をやるために、俺は9万円を出して、スマホXperia)を買ったわけじゃねえ!(自戒)
 

数独ワールドの実績解除にいそしんでいた日々よ、さらば
 
 ということで、スマホ生活一週間の愚痴を始める。
 
 まず、タップとクリックの違いについて。
 マウスでクリックするのに比べて、タップの精度は低い。結果として、見たくもない広告バナーを見てしまうハメになる。
 ガラケーi-modeに比べると、ウェブページ閲覧で、かなり余計な手間がかかってしまう。
 なんていうか、スマホでのネット閲覧は「世の中はクソの山である」という事実を知らされるようなものだ。
 
 また、マウスカーソルというアイコンがないことが不便である。
 待機中なのか処理中なのか、マウスカーソルの形でわかっていたものが、スマホAndroid)ではわかりにくい。
 結果として、無駄なタップ(略してムダップ)が多くなる。まあ、これは慣れの問題かもしれないが。
 
 そして、右クリックがないのも超絶に不便である。
 これまたAndroidの問題だと思うが、長押ししても使いたい機能が出てこないことが多い。
 
 正直いって、Androidは発展途上であり、便利なOSとは言いがたいと思う。
 iPhoneを使ったことのない僕がいうのもなんだけど、iOSのほうがずっと使いやすいんじゃないか。
 とにかく、Androidを使うのは自分にはストレスがたまりまくる。
 
 そして、データ転送量制限。20GBでは全然足りない。怖くてエロ動画なんてとても見れない。
 clipboxなどのアプリを使わないと、Youtubeを見ようとする気にはなれない。
 なるほど、質の低いYoutuberが量産されるのもよくわかる。
 彼らは参考となる動画を無制限に見ていないのだ。ちょっとだけ見ることしかできないのだ。
 人気のYoutuberの最新動画はロクなものではない。しかし、彼らが人気配信者になるためには、いろいろきっかけがあったわけだし、一つぐらいは他人に負けない芸というものがある。
 その芸も知らずに最新動画だけを見て「あたしもこれぐらいならできそう」と、どうしようもない菓子レビューとかあげてしまうわけだ。おかげで、世の中はクソの山となっている。
 一芸無き者、動画配信するなかれ、である。
 
 まあ、スマホなんてLINEのためにあるようなものかもしれないけど、LINEだったらガラケーでもできるし、10万近くの機器を買う理由にはならない。
 
 その他、スマホの不満点としては、
 
(1)電話しにくい。すぐに画面が真っ暗になるのは、センサーの認識が鋭敏すぎるせいだとわかっているが、なんとかならないものか。
(2)指紋認証がうまくいかないのでやめた。あれか、手を洗わずして、スマホを使ってはならないという戒めか?
(3)フリック入力恐怖症。これは俺が不器用なせいかもしれないが、フリック入力で筋肉痛である。
 
 結局、SimpleMindFreeを立ち上げて、気が向いたときにマインドマップを作成するのが、スマホの正しい使い方であろう。
 Evernoteの使い方、マジメに調べたほうがいいかもしれないなあ。
 

◆ シン・ゴジラ君の名は。

 
 10月8日に、ヒット中の二つの映画「シン・ゴジラ」と「君の名は。」を見た。一日で二本初見は、映画を見慣れない僕には疲れることだったが、心地よい疲労感であった。
 
 さて、この二本だが「君の名は。」がはるかに売れている。興行成績140億円を突破し、200億に迫る勢いであるらしい。
 いっぽうの「シン・ゴジラ」は60億は突破したものの、最終的には80億円あたりで留まりそうである。
 この結果は、僕としては「うーん」である。
 
 「君の名は。」には、冒頭からツッコみたい設定がある。
 コミカライズ版ではそれが解消されているので、映画を見た人は、ぜひとも漫画版を見るといい。
(小説版は読んでないし、たぶん読まない)
 

 
 と、物語の展開としての設定は完璧ではないのだが、驚くほどヒットしている。
 「100億超えるとか、作った俺でもひくわ」と新海監督が驚くのもうなずける。
 
 いっぽうの「シン・ゴジラ」の興行成績は「ヱヴァQ」と超えた程度である。
 あの「ヱヴァQ」と、さして変わらないというのは納得いかない。
 
 「やりでやり直す」というダジャレがテーマの「ヱヴァQ」のダメっぽさは、たとえばミサトさんのこの場面を思い浮かべるだけで良い。
 

 
 ボタンを押せなかったミサトさんの葛藤については、容易に想像できる。あえて、回想シーンを流さないところが庵野監督の庵野監督たるところであるのも理解できる。
 ただ、なんていうか、軽い。この軽さが「ヱヴァQ」の欠点である。
 
 「シン・ゴジラ」ではどうか。総理の口の重さに、最初はイライラしたものだが、だんだんと最高責任者の重みが感じられるようになる展開だったと思う。
 

 
 余貴美子演じる防衛大臣の強気の発言に、総理がなかなか口を開かないのは、最高責任者ゆえの重みであろう。
 
 具体例をあげるならば、民間人の退避ができていないことを理由に、総理は攻撃命令を中止させる場面。
 これで千載一遇のチャンスを失ったわけだが、見ている我々には総理の苦渋の判断が伝わってきた。
 もし、総理の立場になれば、誰もが攻撃を中断させただろう。
 防衛大臣の責めたてる口調も、最終決定の責任がないから出る発言なのだ。
 有能や無能ではない、立場上の違いである。
 また、現場状況が最高責任者に届くまでのプロセスも「シン・ゴジラ」ではうまく描かれていたと思う。
 
 ところで、「シン・ゴジラ」のヒロインは尾頭さんである。異論は認めない。
 

 
 石原さとみ演じるカヨコなんて「ゴッジーラ」の発音の面白さぐらいしか印象にない。
 発音の面白さは庵野監督の十八番である。「エヴァー」と伸ばしたりとか、そういう些細なこだわりが、物語世界に深みを与えたわけだ。
 
 「シン・ゴジラ」はラストシーンも良かった。エヴァの後味の悪さとは段違いである。
 
 もともと、エヴァのモチーフはキリスト教の最古にして最大の異端といわれる「グノーシス」を元ネタにしたものだが、このグノーシスは思考過程こそ面白いもののその結論は下らない。
 というのは、グノーシスは、旧約聖書の成立過程を知らない者が、その矛盾点を解き明かそうとしただけの代物なのだ。
 今では、現代聖書学の発展により、旧約聖書の解明はかなり進んでいる。
 そもそも、旧約聖書の神話はシュメール神話やバビロン神話よりも後に作られた神話であり、両者の設定をかなり都合よくパクっている。
 また、創世記第一章の「天地創造」と第二章からの「楽園追放」の物語からして、まったく矛盾している。成立した時代も背景も思想も異なる別の物語なのだが、諸般の事情(エズラの事情)によって一緒くたにされてしまったから、まともに読めば苦悩するだけである。その苦悩の歴史がグノーシスであるのだが、「旧約聖書は最古の物語」という間違った事実が前提にある分、チグハグとなっているわけだ。
 
 なので、エヴァグノーシスな要素は、個人的にはまったく気に入らない。
 
 そうそう、僕はエヴァTV版をリアルで一話だけ見た。オタクな友人が勧めてくれたからだ。
 この友人、テーブルトークRPGに詳しかったりと、今にして思えば、オタクの最前線を追いかけていたスゴイヤツで、僕にもいろいろ勧めてくれたのだが、どうもハマることはなかった。
 エヴァンゲリオンもそうだ。僕が見たのは、こともあろうに13話だった。この回は、今見ても面白くない回で、当時の僕も「面白くなかったよ」と友人に感想を送ったものだ。
 
 結局、そのあとのブームに乗っかってエヴァを見て、その映像に圧倒されたわけであるが、日本のアニメばかりがスゴいわけではない。
 
 ピンク・フロイドのPVとか、かなりスゴい出来である。
 

Pink Floyd - GoodBye Blue Sky - Video - [ Full HD ] - YouTube
 
 実写とアニメの融合映像である。
 2分ちょっとの内容なのでエヴァ好きな人は最後まで見てほしい。
 
 この映像は1982年に公開された「ザ・ウォール」の映画の一部。
 ちなみに、ピンク・フロイドの「ザ・ウォール」は、世界でもっとも売れている二枚組オリジナルアルバムである(ビートルズホワイトアルバムよりも売れた)
 それを全編映像化したのが、映画「ザ・ウォール」なのだが、グロ満載のアニメが挿入されたりと、今見てもかなり刺激的な内容だ。
 
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 ということで、結論はロックンロール最高ってことで。