朝鮮戦争を理解する5つの疑問

 
 朝鮮戦争を調べるうえで、代表的な疑問が次の5つである。
 いちおう、僕は答えることができるが、現時点では整理されていないだらだらした文章になってしまうわけで、とりあえず、疑問を投げかけるだけにしておく。
 
 朝鮮半島について語りたい人は、せめて次の5つの疑問に対して、自分なりの答えを用意してもらいたいものだ。
 
 
(1)なぜ、日本ではなく、朝鮮半島が分断されたのか?
 
 1945年8月に朝鮮半島を日本統治から解放したのは、100%ソビエト軍による。
 ならば、ソビエト朝鮮半島全体を統治し、日本の北海道も占領する可能性があったのではないか?
 なぜ、ドイツは分割統治されたのに、日本はそうならなかったのだろうか。
 
(2)なぜ、戦争勃発を韓国側の侵攻とするデマが出回っているのか?
 
 朝鮮戦争勃発の直接的な原因は、南北両国の軍事バランスの均衡が乱れたからである。
 戦車が一台もなかった韓国軍に比べて、百台以上のソ連製戦車を備えていた北朝鮮。どちらが先に侵攻したのかは明らかであろう。
 それなのに、戦争勃発当時、中国・ソビエトだけではなく、米国内でも「韓国側がしかけた」というデマがまかり通ったのはなぜか。
 
(3)なぜ、米国は国連軍の名のもとに、全面参戦することにしたのか?
 
 北朝鮮の侵攻から3日で韓国の首都ソウルは陥落。韓国軍は釜山一帯まで追いつめられることになる。
 いっぽうで、米国は国連の支持をとりつけ、一週間もたたぬ間に、占領下の日本から朝鮮半島に軍隊を上陸させる。
 中国の、国民党と共産党の内戦では、介入から撤退した米国が、なぜ、半島有事には積極的に介入したのか?
 そして、なぜ、常任理事国であったソビエトは拒否権を発動させることになく、欠席したままだったのだろうか。
 
(4)なぜ、中国共産党は国内の反対に関わらず、義勇軍の名のもとに全面参戦することにしたのか?
 
 義勇軍という形であったが、中国共産党は、朝鮮戦争に全面的に介入することになる。
 もし、この介入がなければ、ソビエトに亡命した金日成朝鮮半島に戻ることはなかっただろう。
 内戦を終えたばかりで、空軍を持っていなかった中国共産党が、計百万人以上に及ぶ軍隊を朝鮮半島に送ったのはなぜか。
 
(5)なぜ、ソビエトの独裁者スターリンの死まで休戦することはなかったのか?
 
 朝鮮戦争は約一年で情勢はほぼ確定した。
 それにも関わらず、休戦に至るためには、それから二年の月日を要することになる。
 その間も、最前線では、毎日十人から百人に及ぶ死者を出していた。
 韓国の李承晩、北朝鮮金日成は、どうしてここまで休戦を遅らせたのだろうか。