8月の終わり

 
 
 たしか、二ヶ月ほど前、仕事で晴海へ車を走らせてたときに、カーラジオから、minmiの『サマータイムが流れた。
 

 
 タオルをぶん回すPVは大っ嫌いだが、曲は大好きで、聴いているうちに、こんな僕でも、夏には何かができそうな気がしたものだ。一緒に乗ってた大学生のバイト(♂)と「Take a Chance! Take a Chance!」と歌った日々が、今では遠い昔のよう。
 
 今日、聴いているのは『雨芳恋歌』という曲。
 

 
 ホント良い曲ですよね。エロゲのOPとは思えないぐらい。
 
 さて、ブログの更新が滞っていたのは、エロゲをプレイしていたからではなくて、体調を崩して入院したせいだったりする。
 入院といっても、一泊二日。仕事中に倒れたので、金の心配はいらなかったけれど、夜通し点滴をつけられっぱなしなのは難渋した。点滴って、拘束具みたいなものですよね。
 
 とりあえず、ヒマだったので、『週刊文春』と『週刊新潮』を読んだ。
 それにしても、こういう雑誌の政治記事の程度の低さといったら呆れ返る。無知な自分の偏見をくつがえすような内容が読みたかったのだけれど(民主党の閣僚がどういう努力をしているのかとか)偏見を助長させるようなことしか書いていない。2chのほうがマシなレベルである。売るためには、読者に媚びなくちゃいけないのはわかるが、そういうのは最初の数ページぐらいでいいんじゃないだろうか。わざわざ雑誌を買ってまで「民主党はダメだ」なんてこと、読んだだけでウンザリする。
 ということで、結局、その雑誌を読んでの僕のリアクションは、今期の直木賞受賞作『下町ロケット』を購入したぐらいなもので。
 

下町ロケット

下町ロケット

 
 この本については、別エントリで感想を書く。最近、ずっとラノベしか読んでいなかったので、物語の展開の豊富さにひとまず感動した。
 ラノベというのは、一巻さえ面白ければ、あとは続編を書けば書くほどネタになるところがあって、そのせいで中身がびっくりするぐらい薄い。読んでてだんだんむなしくなる。
 あと、『下町ロケット』の作者は、慶應大卒で銀行員だった経歴の持ち主なのだが、それゆえに、ラノベみたいな「天才万能キャラ」が出てくることはない。
 例えるならば、ラノベでは、男が理詰めで女を説得するという場面が良くあるのだけれど、人間はそんな言葉ぐらいでは動かないものである。『下町ロケット』を読んでもっとも感じたのは、知性よりも情熱だってこと。
 情強だの情弱だのいって、日々の情報を追いかけるだけで必死な人には、何も生み出せないと思う。
 情弱でもいいじゃないか。何かに対して、強い思い入れをいだくことが、もっとも大切なことなのですよ。大勢に笑われても、その情熱に感動してくれる人はきっといるはずで。
 
 とりあえず、その『下町ロケット』を読んで、バカみたいにブログで二次創作を書くというのも考えものだと思い直すようになった。楽しんで書いているとはいえ、趣味というにはいささか体力を使いすぎる。実は、僕が入院してしまったのも、そういう理由だったりする。仕事と趣味の両立はなかなかうまくいかないものだ。
 
 そんなふうに、僕はこの夏をすごした。きっと、どこかで誰かがすごく刺激的なアバンチュールを過ごしたりしたんだろうなあ、と思いつつ、まあ、僕は僕の道を行く、ということで。