俺の夏コミは新宿どまり

 
 このクソ暑いなか、有明ビッグサイトに行って夏コミに参加されているかた、おつかれさまです。
 昨日、僕は勤めている事務所の引越し作業をしたのですが、あまりの暑さに荷物持ちをすぐにギブアップ。エアコンのきいた新事務所でパソコン設置にやたらと時間をかけて勤しみました。
 その後は多摩川のほとりでバーベキュー大会があったのですが、暑さのせいでビールを飲みすぎて、前後不覚な状態のまま、千鳥足で帰宅しました。
 
 そんな僕は、今回も新宿とらのあなでサクッと蛸壷屋新刊『隣の家の魔法少女』を買ったわけです。
 

 
 
 同時に買ったのは、第一回が話題となった今期アニメ『輪るピングドラム』の小説版。実はアニメ本編を見ていないのですが、そういう僕が小説だけを読んで感想を言うのも面白いのではないかと。
 あと、紀伊国屋書店本店の別館で『あの花』の小説版も購入しました。僕が書いた二次創作『ビフォア・ザ・超平和バスターズ』は通用するのか、それを上回る少年時代が書かれているのか、楽しみにしています。
 
 なお、とらのあな新宿店では、二千円以上買い物した客に、ミニ下敷きをプレゼントするキャンペーンをしているみたいです。
 4つの中から選べるのですが、僕は全然ネタがわからなかったので、適当にチョイスしました。エセおたくで、すみません。
 
 
 ところで、最近、宮城谷昌光の『三国志』にハマったりして、ラノベとかアニメから遠ざかりつつあるのですよ。
 宮城谷昌光の本は、小説というより、歴史オタク向けの解説書みたいなところがあって、例えば、陳舜臣の『秘本三国志』のほうが物語としては面白いのですが、今ではネタキャラと化している「袁術」になぜ名声が集まっていたのかを納得できるように書いているところがいいです。
 もし、当時2chがあったら、「曹操が天下をにぎり、劉備が皇帝になる」という結果なんて、誰も予想できなかったでしょう。袁紹袁術の人物の偏狭さを見抜ける人はごく一部でしょうし、そんな少数意見は、わかりやすい意見がまかり通る2chではもみ消されてしまうものです。「淳于瓊は神!」とか、そういうスレタイにあふれているんじゃないでしょうか。
 そして、それが世論というものなのです。
 
 こういうことを知るのが歴史小説の面白いところで、残念ながら、類型化されたラノベではそれを味わうことができません。
 例えば、「勇者と魔王」という構図なんて、容量の少ないファミコンというメディアの限界から産まれた苦肉の一策にすぎないと思うんですが、それを当然のように受けとめた物語が現在では多すぎるんですよね。『指輪物語』を読めとか言ってるんじゃなくて、そういう類型化に疑問をはさまない風潮が、僕は怖かったりするんです。
 
 こういうことを一番感じたのが、最近注目を浴びているラノベ変態王子と笑わない猫』ですね。作者は文章うまいし頭いいと思うんですが、そろそろ新たな価値観を開拓しないと、こういうラノベばかりが量産されるという不安を、その本を読みながら感じました。
 
 果たして、日本のサブカルチャーの未来はどうなるのか?
 
 そんな大それたことを考えながら、蛸壷屋新刊を読んだ今日この頃です。その感想は、また別エントリで。