口蹄疫ワクチン接種をしなかったのは、自民党時代の行政が云々と述べる不見識な医師

 
 論ずるに値しないが、あまりにもひどすぎるので紹介する。
BLOGOS(ブロゴス)- 意見をつなぐ。日本が変わる。
 


口蹄疫ワクチンが存在するのに、接種されず、殺処分ばかりやっているのは、非関税障壁を維持したい畜産業界と、それに結託した(自民党時代の)農林水産行政のせいである。もちろん、赤松農林水産大臣とも、民主党政権とも関係がない。
 
http://news.livedoor.com/article/detail/4797913/
 
 あまりの不見識にあきれるばかりである。
 畜産業のイロハがわかっていない。
 
 ワクチンを使うと「口蹄疫汚染国」とされる。
 米国をはじめ、多くの国が「汚染国」の畜産肉を輸入することはない。
 
 国際的に、「汚染国」となると、その国の畜産業のブランドが低下するのだ。
 
 中国のようにワクチンを投与しまくって、逆に耐性がついてしまうような国家とは、異なる方向性で日本の畜産業は勝負しなければならないのだ。
 そのために、畜産業者は不断の努力で、良質の肉を生産しようとしているのだ。
 
 この人は、中国なみのレベルで生産しても問題ない、と言っている。
 それならば、高価とならざるをえない日本産の肉を誰が購入するだろうか。
 
 そのリスクを賭してまでの「ワクチン接種」が必要であったかどうかは、結果論にすぎない。
 少なくとも、この医師の論調では、その是非を論ずるレベルに値しない。
 
 宮崎県は悲惨な状態だが、まだ封じ込めは成功している段階である。
 他県の陽性結果を隠遁しているんじゃないか、という人は、農水省サイトをくまなく見てみるがいい。
口蹄疫に関する情報:農林水産省
 
 
 少し前に話題になった厚生省技官といい、この医師といい、あきれるばかりの素人意見である。
厚労省技官が口蹄疫殺処分を批判 「第2の新型インフル」論に賛否 : J-CASTニュース
 
 確かに、自民党時代の、農林水産行政には批判すべきところもあるだろう。
 しかし、今回の口蹄疫対策について、早期のワクチン摂取をするべきだったという見解は、日本の畜産業の立ち位置がわかっていない。
 
 僕には、この意見は、日本の畜産業にたずさわる者をバカにしているだけとしか思えない。
 くれぐれもこんな不見識な意見をうのみにせぬよう。