それは、大胆すぎる素人発想から始まった - ニコニコ技術部員たち(2)
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- それは、大胆すぎる素人発想から始まった - ニコニコ技術部員たち(2)
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- 技術部エンターテイナーが挑んだ、夏を清涼に過ごすアレ開発 - ニコニコ技術部員たち(4)
- 「バーチャル工場見学」と、フリーの3Dアニメ作成ツール「MMD」 - ニコニコ技術部員たち(5)
- 初音ミクのいる風景 ――フリーソフトでもできる3D実写合成映像「マッチムーブ」 - ニコニコ技術部員たち(6)
- 初音ミク、金星へ ――「あかつき」、「はやぶさ」、宇宙へのロマン - ニコニコ技術部員たち(7)
趣味の延長線か、はたまた、名を隠した専門家か。
様々な才能を持った人が、動画というコンテンツで、その技術を披露しているのが、ニコニコ動画のカテゴリの一つ「ニコニコ技術部」である。
例えば、世界の度肝を抜いた、ダイソンの新型「羽なし扇風機」を見て、「ニコニコ技術部」では、それを実現した模型が次々と公開された。
この動画を見て、「へー」とか「日本の底力は偉大だなぁ」などと、他人事のように感心されるかもしれない。
しかし、「ニコニコ技術部」の主役になるためには、知識や学歴が必要なのではない。
僕のような文系人間の人だって、博士号を持たない人だって、学歴が低い人だって、主役になれるのが「ニコニコ技術部」なのだ。
そのことを教えてくれる動画が、こちら。
以下、この動画の二番煎じである。
「ニコニコ技術部」は、ある一人の大胆すぎる発想から誕生した。
2007年8月31日に発売されたボーカロイド「初音ミク」は、たちまちニコニコ動画ユーザーの心をとらえた。
そのブームに火をつけたのが、「Ievan Polkka」(別名「ロイツマ」)を初音ミクが歌わせた動画である。
2007年09月04日に投稿されたこの動画の影響で、ニコニコ動画に、空前の「初音ミク」フィーバーが吹き荒れた。
音楽に自信がある者は、自作曲や有名曲を初音ミクに歌わせるようになり、また、絵心のある者は、初音ミクのイラストを描くことで、それを支援した。
しかし、絵心や音楽の才能がないくせに、初音ミクブームに乗っかろうとした者がいたのである。
彼は、上記動画の「ネギ振り」に注目した。
この、ネギを振る初音ミクの動きを再現すれば、流行に乗っかって再生数が稼げるのではないか、と彼は考えた。
(おそらく)彼には人々を感心させる理論や技術は持ち合わせていなかったものの、柔軟な発想力と、それを実践する行動力は、あったのだ。
その結果が、これである。
このバカバカしい動画が、なんと、「ニコニコ技術部」発祥動画となったのである。
上で紹介した動画「プロジェクトN〜ニコニコ技術部員たち〜」では、この「ネギ振り」を再現するという試みが、多くのユーザの創作意欲を刺激し、様々なアイディアをもたらした、と説明しているのだ。
「ニコニコ技術部」で公開されている人気動画の多くは、確かに、知識や技術のあるユーザによる投稿作品だろう。
しかし、それが人気動画となるためには、僕のような、たまにホームセンターに足を運んで、指をくわえて工作セットを眺めて「こういうのを趣味で作れたら面白いし、カッコいいだろうなあ」と思いつつ、買おうとしない人々の心をとらえなければならないのだ。
そう、素人にもわかる遊び心こそが「ニコニコ技術部」の原点なのである。
たとえ、高学歴であっても、博士号を持っていても、人気動画が作れるわけではない。
もっともらしい説明は、動画が面白くなければ見向きされない。
いくら立派な技術であっても、新たな視聴者を呼びこむ魅力がなければ、動画再生数を増やすことはできない。
確かに、ニコニコ動画の再生数なんて、時流に左右されやすいものだ。
「初音ミク」ブームだってそうだ。今では、それよりも優れた後継作が次々と発表されている。
とはいえ、2007年から2008年にかけて爆発的な流行をもたらした「初音ミク」というシンボルが、様々な人々をニコニコ動画に招き寄せ、新たな作品をもたらしたのである。
「ニコニコ技術部」というカテゴリも、そのひとつなのだ。
「面白さ」を表現するためには、知識や技術や才能は必要だろう。
しかし、そこに「誰にでもわかる」ものがなければ、「面白さ」にはつながらない。
「面白さ」を判断するのは、いつだって素人なのだから。
僕が「ニコニコ技術部」の動画を喜んで見るのは「なるほど、さっぱりわからん」と感心するのではなく、「なるほど、そうきたか」と笑みを浮かべてしまうような、大胆な発想がつまっているからである。
漫画や音楽などの話になると、どうしても「わかる人だけわかる」閉鎖的なコミュニティになる。
しかし、技術はそうではない。
「面白い」技術は理論で説明することができるが、「面白い」技術を理論だけで生み出すことはできないのだ。
「ニコニコ技術部」の動画は、まるで夏休み明けの自由研究発表コーナーのようである。
僕はそれぞれの作品を楽しみながら、気に入った作者の他の動画やブログを調べたりする。
そうすると、その人たちがどんな背景で、どんな経験をしてきたが、おぼろげに見えてくる。
僕はそんなことを知るのが、とても好きなのだ。
そして、気に入った動画にコメントをつけたり、マイリスト登録をすることが、その作者の支援になり、新たな作品が生まれるきっかけになるかもしれない。
「ニコニコ技術部」は、そんな僕たち素人に支えられたカテゴリなのである。
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【関連リンク】
・ニコニコ技術部とは (ニコニコギジュツブとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
今回のエントリは、この記事の二番煎じでもあります。
・「ニコニコ技術部」動画ランキング 週間 総合 - ニコニコ動画 (要ログイン)
ツワモノぞろいのカテゴリ「ニコニコ技術部」のランキング。面白い発想が数多く眠っています。