昨夜の麻生首相と鳩山代表の党首討論雑感

 
http://allatanys.jp/S001/ex31000.html
 
 先日行われた、自民党と民主党による党首討論は、地上波では放映されなかったが、ニコニコ動画やあらたにすなどのウェブコンテンツで生放送され、大きな話題となった。
 
 この一時間半あまりの討論については実際に見ていただくとして、それを報じたメディアの記事を取り上げたい。
 

 
 毎日新聞曰く「野党になったかのように民主党批判を続ける首相もほめられたものではない」。
 この討論は各自10分ほどのスピーチのあと、お互いが質問する形で30分の討論が行われた。
 麻生首相としては、そのマニフェストの具体性を鋭く指摘しただけだと思うのだが、それに鳩山代表は明確な答えを出すことができなかった。
 いっぽうの鳩山代表の質問は、おきまりの「天下り批判」であり、レッテル貼りに終始していた。
 ライバルのマニフェストに対して入念な準備をした麻生首相に対し、従来の質問をくりかえしただけの鳩山代表。それが「ほめられたものではない」というのは、どういうことだろうか。
 

 
 西日本新聞曰く「際立ったのは、過去の討論で劣勢気味だった麻生太郎首相(自民党総裁)の攻勢ぶり」
 過去がいつを指すのか僕にはわからない。5月の党首討論においても、鳩山代表が一方的にやりこめられたとしか感じなかった。
 気迫の麻生と余裕の鳩山というが、鳩山代表は質問をかわしきるのに精一杯で、終始及び腰の姿勢だったように感じた。
 
 さて、ここで自民と民主の政策の違いを簡単にまとめると次のようになるだろうか。
 
「夢だけで実行するための中身のない民主党
「現実性はあるが犠牲がでかい自民党
 
 自民に比べると、民主の政策には実現性が乏しく、それはマニフェストを何度も修正していることから明らかだ。
 麻生首相は、みずからの政策への強い決意が感じられる。国債による借金は増えているとはいえ、それは日本を自転させるための有意義な政策であることを強調している。その成果は、まだ実感されていないが、打つべき手を打ってきたことを麻生首相は主張している。
 日本の借金はほとんど国内でまかなわれていることが特殊だが、ゆえに世界市場の影響を受けず、年間支払うべき金利は安い。
 いっぽうで、民主政権になれば、経済成長の可能性はゼロになるだろう。景気が今より好転することはありえない。
 
 党首討論において、麻生首相に比べると、鳩山代表には政策をやりとげる決意がまったく感じられなかった。おそらく、民主党は政権をとっても、ほとんど何も実行できないだろう。
 そして、その場しのぎの支援政策に終始すると思われる。
 実行力のない鳩山民主の場合、それは「声の大きな弱者」に対する援助にすぎないはずだ。
 経済成長を中心にすえた自民を「企業保護」だと批判する人は多いと思うが、さりとて、民主が国民一人ひとりに支援を行き渡らせる政策ができるとは思えないのが現状である。
 
 今回の党首討論を見たもっとも強い印象は「鳩山代表指導力の無さ」であった。
 
 
 各地の街頭演説では、民主の候補のほうが勢いがある。小沢前代表がみずから指揮した選挙対策により、民主候補者は、早くから選挙区を回り、あいさつを続けてきた。そのような選挙運動は、政治家にとって欠かすことのできぬ経験のひとつである。
 そんな民主候補に比べると、自民候補の演説は頼りない。麻生の言葉には説得力があるが、その言葉を借りた自民候補者の答弁は、民主の揚げ足取りにすぎないように映る。
 将来性でいうならば、民主党だろう。彼らは、小泉チルドレンといわれていた自民の若手よりも実力ある政治家に育つと思う。
 
 
 ネットの表面を見る限り、酒井法子幸福実現党のニュースが人気を集めているように感じるが、ニコニコ動画での党首討論の生放送は好評で、再放送を合わせると三万人のユーザが視聴したという。
 
 このようなノーカット放送は、今後もネットでどんどん配信してほしい。