僕のブログ執筆スタイル

 
 このブログは、はてなダイアリーを利用している。
 広告がなく、動作が比較的に安定しているなど、他社のサービスに比べて利点が多いのだが、使い続けるうえで、二つの不満点が出てきた。
 
 
 一つは、はてなキーワードへの自動リンク
 はてなキーワードは、その用語にもとづいたブログが一覧表示される便利な機能だ。宣伝することなく、自分と同じ趣味を持つ読者を招き入れることができる、はてなダイアリーの長所の一つだろう。
 しかし、はてなキーワードの説明文は、説得力に乏しいものが多い。今では、Wikipediaニコニコ大百科に比べて、その情報量が劣っているのが現状だろう。
 有益な情報を得られないリンクは、記事の信用性を低下させることにつながる。
 
 このはてなキーワードへの自動リンクは、それぞれのキーワードごとに設定しないと完全に消し去ることはできない。
 そんな手間はかけられないので、cssで目立たないように表示している。具体的には次のようにスタイルシートに追加する。
(*それぞれのデザインのセットごとに異なるので、ベースとなる文字色・背景色を調べる必要がある)
 

a.keyword {
color:#626264;  /*文字色*/
background-color:#FFFFFF;  /*背景色*/
text-decoration:none;  /*下線の有無*/
}

 
 もう一つが、下書き保存ができないことだったが、これは2008年8月から実装されていたそうだ。
 今日になって初めて気づいた。
 
 
 ブログ記事では、必要に応じて、画像を掲載したり、他ページへのリンクをはる必要がある。しかし、記事を書いている途中で、そのような行為に没頭すると、その文章の執筆動機が失われる恐れがある。だから、見ばえを彩る作業は最後に回したほうがいい。
 
 そして、できることなら、記事を公開するのは一日おいた方がいい。そうすれば、客観的に自分の文章を見ることができる。書いているときには気づかなかった誤字脱字を発見でき、「感感俺俺」のような同文字繰り返し表現という悲劇をもたらすことはなくなる。
 
 僕が推敲するときに、もっとも意識するのが接続詞。「ちなみに」の多用は嫌われるが、そのほかにも「もちろん」「まあ」などもできるかぎり控えたほうがいい。僕の「もちろん」なんて、♀「あたしのこと好き?」♂「もちろんだよ」ぐらい説得力がない。男の「もちろん」ほど、あてにならないものはない。
 
 誤字脱字や表現の御用などは、時間をおいて見直せば気づくことができる。些細な文章のミスは、読者の集中力を著しく低下させる。真剣に読んでもらいたい内容は、それ相応の時間をかけるべきで、即時公開するべきではない。
 
 
 
 村上春樹の新刊「1Q84(BOOK1(4月ー6月)) [ 村上春樹 ]」の中で、小説の書き方が紹介されていた。それによると、小説の執筆は次の順序で行うべきらしい。
 
(1)書く
(2)説明不足だと思われるところを加筆する
(3)不必要だと思われる要素を削る
(4)プリントアウトして推敲する
(5)書き直す
 
 最後の「書き直す」のが、もっとも精神力のいる作業だと、村上春樹は言っている。確かにその通りである。神無月サスケさんが「Moon Whistle」のリメイクで苦しんでいるのと同様に、自分の文章を書き直すことは辛いことなのだ。今や、文章はデータ化し、コピー&ペーストが簡単にできるようになったので、僕はついつい部分的な修正ですませてしまう。
 
 しかし、それではつぎはぎだらけのパッチワーク文章になってしまう。一文を加えただけで、文章のバランスはガラリとかわる。だから、ワープロやパソコンがない時代に、人々が清書をしたように、他人に見せる文章は書き直すべきなのだ。そう言い聞かせているものの、仕事ならともかく、趣味にすぎないブログ記事で、そこまでの精神力を使い果たす必要があるのかといつも自問している。
 
 
 結局のところ、僕は「書き直し」という作業をせずに、ブログ記事を公開している。ブラウザへの直接入力はしない。最近は「MKEditor」というフリーソフトを使って書いている。複数ファイル管理・ウィンドウ分割表示・動作の軽快性など、こだわりのテキストエディタがなければオススメしたいソフトだ。
 
 そして、いったん書き終えたら、保存したテキストファイルを、Wordなどで立ち上げて、縦書き表示してチェックする。村上春樹に従えば、印刷すべきところだが、その簡易版として、別ソフトを利用しているのだ。
 縦書き表示できるフリーソフトとしては、Virtual Editorがある。環境によっては動作が不安定だが、表示スタイルを切り替えやすいのが長所だ。
 
 ページ形式を変えると、執筆時には気づかなかった多重表現など、文章の欠点が気づきやすい。行数や文字サイズを変えることで、より客観的に自分の文章が見つめらることができる。
 
 このように角度を変えて自分の文章を読むことで、赤の他人である読者に説得力をもたせる内容になる可能性が生まれる。
 
 
 twitterが流行している今、ブログ記事執筆に時間をかけるのは時代遅れかもしれない。ただ、自分が伝えたい確たるものがあるのならば、じっくりと書いてみたほうが後悔しなくてすむ。日々の雑感ならば、ノートにまとめておけばいい。
 
 結局のところ、文章力が上がったところで、得られるのは「誤解なく自分の執筆動機を伝えることができる」ことぐらいだ。
 なぜ、その文章を書きたくなったか?
 それが定まっていなければ、赤の他人の読者の心を揺さぶることなどできやしない。