開きすぎたWEBページを整理するために ―ツリー型タブブラウザ「KIKI」

 
 思考の整理法として「マインドマップ」や「KJ法」というものがある。
 これらの「ビジネスで成功するために」という宣伝文句が癪にさわる人がいるかもしれないが、構想を形にすることができず煩悶している人や、他人を説得させる文章を書きたい人は、概要を読んでみるだけでも楽しめると思う。
 
マインドマップ活用クラブ
KJ法について
 
 かつて、「ミシェル・ゴンドリーのアナログ手法」という記事で書いたように、僕はノートに罫線を気にせずに書き、矢印で引っ張って、構想を練ることが多く、独自の手法でアイディアを書き連ねている。しかし、マインドマップKJ法の手法を理解することは、混沌とした脳内を整理する手助けになった。
 
 
 さて、ここからが本題である。
 あなたは一日にどれだけのWEBページを閲覧しているだろうか?
 
 僕はFirefoxを愛用していた。NetCaptor以来のタブブラウザ使いである。調べものをしているとき、気になったページは、どんどん新たなタブで開く。そうすると、いつしか20ぐらいのWEBページが同時に開かれた状態になる。
 
 それらを見ながら、いろいろ思考を整理してみるのだが、頭が疲れている場合、「もういいや」と、そのまま閉じて、電源を落とす。翌日になって起動してみると、20ぐらいのタブが開かれる。時折、僕は途方に暮れる。「何で、こんなに多くのページを俺は見ていたんだ?」
 
 WEBは、リンクで他のページへ渡り歩きやすいように発達してきた。一つのページだけを見て満足して、ブラウザを閉じる人はほとんどいないだろう。興味あるリンクをクリックしたり、ページ上の気になるキーワードをクリックして、どんどん新たな情報を入手できることが、インターネットの楽しみなのである。
 
 しかし、それらのページ履歴がリスト化されているだけでは、自分が何を求めていたかを知ることは難しい。新たなページに行くときの「動機」が見えないからだ。
 
 だから、「マインドマップ」や「KJ法」のように、ページ履歴を図式化することができれば、その日に何を見ていたかをわかりやすく把握できるのではないかと僕は考えた。
 
 さっそく、それを可能にする、Firefoxのアドオンがないか調べてみたが、なかなか良いものが見つからなかった。
 例えば「Cluster Tabs for Firefox」など、面白そうなアドオンは見つかるのだが、「ページ履歴を図式化する」という作業を可能にするものは、僕の力では見つからなかった。
 
 
 そんなときに見つけたのが「KIKI」というIE準拠ブラウザ。
 
ツリー型タブブラウザ KIKI のホームページ
 
 この「KIKI」はフリーソフト
 他のタブブラウザと異なり、ツリー形式でタブが管理されているのが大きな特徴である。
 
 
KIKIスクリーンショット
 
 開いているページだけではなく、「履歴」もツリー形式で保存されているので、自分の足跡を追うことも容易にできる。
 
 このツリーウィンドウは常時表示にすることもできる。初めは常時表示して、動作反応を把握したうえで、自分好みの設定を変更したほうがいいかもしれない。
 
 
KIKIスクリーンショット
 
 ページ上の気になる単語をドラッグして、GoogleWikipediaで検索する機能だってある。新たにサイトを追加することも可能だ。
 子ノードに追加するように設定すると、「何のページでどの単語を検索したか」を視覚的に追うことができる。
 
 
KIKIスクリーンショット
 
 マウスジェスチャなど、タブブラウザ使いには必須の機能もついている。
 個人的には「URLとタイトルをHTML形式でコピー」という拡張機能があるのは助かった。
 
 
 この「KIKI」は、シンプルな外見だが、カスタマイズ性は高く、自分好みの設定ができる、中級者以上向けのブラウザである。
 タブを開きすぎて途方にくれているような人には、ぜひ、この「KIKI」を、使ってみてほしい。そこから新たな「発見」が見つかる可能性があるはずだ。
 
 まあ、まだ使い始めて一週間もたたないので、あまり説得力ない言葉かもしれませんが。
 
 
ツリー型タブブラウザ KIKI のホームページ