ニコニコ動画傑作選(4)チーターマン

 あまりにもバグの多さに発売することすらできず、製作会社は在庫を抱えたまま、倒産。
 そんな闇歴史を持つ「チーターマン2(CHEETAHMENII)」のプレイ動画が、ニコニコ動画で注目を浴びた。



 数多くのバグについてはWikipedia:チーターマンを参考にしていただきたい。最後はボスが逃亡したまま次に進めないという、圧倒的な結末に、ニコニコ動画ユーザーは驚愕の色を隠せなかった。


 Youtubeでは2007年05月16日に「Cheetahmen II」というタイトルでプレイ動画が公開されている。

Cheetahmen II - YouTube

 再生回数:22,064、お気に入り登録数:27。決して、少なくない数字だが、派生作品を生み出すほどの数ではない。

 やはり、ニコニコ動画によるコメント表示が「チーターマン」ブームには欠かせなかったのだろう。それぞれのバグを指摘するコメントを通じることで、パッと見ただけではわからない「ひどさ」を知ることができたのだ。「まさに、史上最強のクソゲー」と多くの人が嘆息した。

 そんななか、あるコメントが「チーターマン」ブームを決定づけることになる。

「音楽良くね?」

 そう、バグだらけのゲームの中で、唯一まともだったのがBGM。そのギャップが注目を浴び、次々と「チーターマンアレンジシリーズ」が生み出されたのだ。



 投稿日時を注目していたければ、「熱しやすく冷めやすい」ニコニコ動画の長短を知ることができる。
 自分のセンスを知らしめる上では、流行の題材を利用することが手っ取り早いのだ。


 同じ題材の派生作品が数多く公開され、初心者の人には不可解なところがある「ニコニコ動画」だが、同じ題材の作品をわたり歩くことは、新たなセンスと感性に出会うことができるのだ。
 たとえば「MIDIアニメ」というジャンルが始まったきっかけが、この「チーターマン」である。「チーターマン」をアレンジすれば、そこそこの人に見てもらえるという可能性が、この作者を動かしたのだろう。
 ニコニコ動画に集う人たちの裾野の広さを知ることができる好例の一つが、この「チーターマンBGMアレンジ集」である。