ニコニコ動画傑作選(3)組曲『ニコニコ動画』
2007年06月23日に、ニコニコ動画で流行している楽曲を、組曲形式にした作品が公開された。
もともと「作業用BGM」として作られたものであり「歌うこと」を目的としたものではなかった。
(そのため、曲を重ねた部分も多い)
しかし、人気の曲を多く含んでいるということで、多くの歌い手たちの興味をひいた。いつしか「組曲『ニコニコ動画』」を歌いきることが、ニコニコ動画で認められる「登竜門」とみなされるようになった。
こうして、数多くの「組曲『ニコニコ動画』を歌ってみた」が、ニコニコ動画で公開される。
その流行はプロにも伝わり、「らき☆すた」音楽担当の神前暁氏による『組曲「らき☆すた動画」』、そして、ニコニコ動画歌い手が参加した「ランティス組曲」の発売にまで及んだ。
その「組曲ブーム」である「組曲『ニコニコ動画』」の動画の中から代表的なものをピックアップしてよう。
まず、有名歌い手たちの素材を「合唱形式」にしたもの。有名歌い手の特徴をうまく取り入れた編集がされている。
なお、「組曲『ニコニコ動画』」で使用されている楽曲は以下の通り。
- エージェント夜を往く (THE IDOLM@STER)
- ハレ晴レユカイ (涼宮ハルヒの憂鬱)
- 患部で止まってすぐ溶ける〜狂気の優曇華院 (東方永夜抄)
- Help me, ERINNNNNN!! (東方永夜抄)
- nowhere (MADLAX)
- クリティウスの牙 (遊☆戯☆王デュエルモンスターズ)
- GONG (第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ)
- 森のキノコにご用心 (スーパーマリオRPG)
- Butter-Fly (デジモンアドベンチャー)
- 真赤な誓い (武装錬金)
- エアーマンが倒せない
- 勇気VS意地 (ミュージカル テニスの王子様)
- アンインストール (ぼくらの)
- 鳥の詩 (AIR)
- you (ひぐらしのなく頃に解 目明し編)
- 魔理沙は大変なものを盗んでいきました (東方妖々夢)
- Dr.WILY STAGE 1 (ロックマン2 Dr.ワイリーの謎)
- God knows... (涼宮ハルヒの憂鬱)
- もってけ!セーラーふく (らき☆すた)
- ガチャガチャへるつ・ふぃぎゅ@ラジオ (ふぃぎゅ@謝肉祭)
- 創聖のアクエリオン (創聖のアクエリオン)
- ふたりのもじぴったん (ことばのパズル もじぴったん)
- つるぺったん
- Here we go! (スーパーマリオワールド)
- true my heart (Nursery Rhyme -ナーサリィ☆ライム-)
- kiss my lips
- RODEO MACHINE
- 序曲 (DRAGON QUEST)
- FINAL FANTASY (FINAL FANTASY)
- ガチャガチャきゅ〜と・ふぃぎゅ@メイト (ふぃぎゅ@メイト)
- あいつこそがテニスの王子様 (テニスの王子様)
- レッツゴー! 陰陽師 (新・豪血寺一族 -煩悩解放-)
- さくらさくら
それでは「ランティス組曲」発売記念ということで、参加した人とそれ以外で別々に紹介してみよう。
ランティス組曲参加者
聴いたかぎり「ランティス組曲」でも大活躍したJ氏。女性ボーカルにも果敢に挑戦するハイトーンボイスはしかし「石原良純」に似ていると言われていることも。
「ランティス組曲」では、J氏との区別がつかなかったと噂されるゼブラ氏。こちらは様々なネタをまじえている。
組曲『ニコニコ動画』は多くの替え歌を生んだが、そのなかで有名なのが「ハルヒ」バージョン。歌っているのは、nayuta氏。ハルヒの物真似で有名だが、ここでは様々なハルヒに出てきたキャラクターを演じている。それゆえに、かえって「ハルヒ」がいかに似ているかがよくわかる。
「ランティス組曲」でも、nayuta氏のハルヒ物真似には、なんていうか、救われた、と感じた人が多かったのではないか。
「ラピュタ」でもっとも人気のある(と思われる)「ムスカ大佐」を主人公にした替え歌もなぜかある。そんなものに、無駄にコーラスをまじえて完成度の高い作品にしてしまうのが、この社長氏。
常に、喉の限界に挑むため、のど飴が欠かせないという、のど飴氏。
「全部俺」シリーズで有名なRe:(れ)氏。
「ガリれ:お」とは、Re:氏と、 サリア人氏(♀), ガゼル氏(♀)のユニット。三人とも「ランティス組曲」には参加。
男性メンバー中、唯一高音で勝負しないyounji氏。「歌のお兄さん」の異名を持つ。
あと、ゴム氏とA姉氏の、組曲は見つからず。
以上、11名が「ランティス組曲」参加者である。
男性ボーカルのほとんどが高音である。そのせいか、最初に聞くと「ほとんどJが歌っている」という錯覚にとらわれる。もう少し、幅のある、存在感のある歌い手がいればよかったのでは、と思う。
ランティス組曲不参加者
ささきいさおを思わせる、力強い低音で幅広い支持を得ているのが、このいさじ氏。なぜか、女性ボーカルの曲にも果敢に挑戦し、それすらも見事にいさじ色に染めてしまう。「ランティス組曲」の企画のとき、もっとも期待された参加者であっただろう。
こちらは、いさじ氏の代表作。元歌を忘れさせる質の高い楽曲である。
英語や早口など、何でもチャレンジするのが、女傑かにぱん氏。少年の声がとても良いと歌う。
それが最大限に生かされたのが、この作品。「MOTHER」をプレイした人は感動すること間違いなしだ。
ウソップよりも、デスノートのLが似ているタイツォン氏。最近はキワミ四天王の一人として知られているが、一番似ているのはKICK THE CAN CREWのMC Littleで、本人疑惑が持たれたほど。
しかし、真面目にカバーしても再生数は伸びず、今度もまたネタに走ってしまう、悲しき天才。
ブログの品格を重んじるならば、決して紹介してはならない歌い手、それが通称「たかし」氏。音程や声量に関しては、これまで紹介した歌い手にはあまりにも遠く及ばないが、それに負けない替え歌センス、やけにがんばっているイラストで、熱狂的ファンを持つ。しかし、彼を駆り立てるものは、もはや性欲以外の何かとしか思えない。
25分におよぶ「ニコニコ動画物語」も下品にカバー。一種の「性教育」になるのでは、と思うぐらいの豊富な下ネタの数々は、まさに圧巻のひとこと。女性(処女の方はダメ)でも楽しめること間違いなしのアダルチックな替え歌である。
あと、組曲は歌っていないが、レベルの高い替え歌を公開しているミジンコ氏。yonji氏よりも、彼の方が白石稔(声優)に似ていると思う。