韓国に敬意を抱けない二つの理由


 自分の民族がなにか。それは他人をごまかすことはできるが、自分はごまかせない。

 さて、韓国および朝鮮人については、日本のネット世論では感情的な意見が多く交わされている。
 僕は韓国および朝鮮民族を敬意を抱くことはできない。理由は次の二つである

  1. 朝鮮戦争―大国の思惑どおりに分断している民族
  2. 慰安婦問題―白人国家にのみ語られる「日本人の残虐さ」

 自分が日本人であることを考えるうえで、隣国の歴史を知ることには意義があると思う。

朝鮮戦争―大国の思惑どおりに分断する民族


 1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾し、連合国に降伏する。これにより、朝鮮半島の支配権は、連合国にゆだねられた。ソ連と米国は北緯38度線で、朝鮮半島を分断する。そして、1948年、両者にとって好ましい人物を元首とした二つの国家が生まれる。
 米ソ陣営はともに、朝鮮半島で火種が起こるのを望まなかった。しかし、1949年10月、中国にて成立した、共産党政権である中華人民共和国は別だった。北朝鮮の元首、金日成は中国の協力を取りつけ、1950年6月、半島統一戦争を起こした。これが朝鮮戦争である。以下、戦況を記す。


  • 1950年6月25日 北朝鮮、奇襲攻撃
  • 1950年6月28日 北朝鮮、ソウル陥落
  • 1950年9月15日 国連軍、仁川に上陸
  • 1950年9月28日 国連軍、ソウル奪回
  • 1950年10月1日 韓国軍、38度線突破 北朝鮮元首 金日成、逃亡
  • 1950年10月9日 国連軍、38度線突破 中国首相 周恩来朝鮮半島への介入を決意
  • 1950年10月20日 国連軍、ピョンヤン制圧
  • 1950年12月5日 北朝鮮・中国軍、ピョンヤン奪回
  • 1951年1月4日 北朝鮮・中国軍、ソウル再奪回
  • 1951年3月14日 国連軍、ソウル再奪回。以後、戦況膠着
  • 1953年7月27日、板門店で休戦協定が調印。
    (調印者 北朝鮮代表、金日成 中国代表、彭徳懐 国連軍代表、M.W.クラーク
     韓国代表は不服として、参加せず)

 ソウルという都市に限定すると、6月28日〜北朝鮮、9月28日〜韓国、1月4日〜北朝鮮、3月14日〜韓国と、めまぐるしく支配権が移った。首都がこのように軽んじられる戦争は、戦史をみわたしても、朝鮮戦争ぐらいしか見当たらない。
 また、双方の指導者の行動にも疑問が残る。北朝鮮の元首、金日成は1950年10月1日に国外に逃亡した。韓国の元首、李承晩は休戦協定を不服として調印式に参加しなかった。国の指導者としての責任を貫徹したとは言いがたい。


 戦争は民族性を知る教材である。のちのベトナム戦争と比較すると、朝鮮戦争には、民族の芯の強さがまるで感じられない。大国の思惑に翻弄されただけの戦争である。戦況が膠着してから休戦調印に2年以上も費やしたことも信じがたい。戦争は人類の大罪である。いかなる理由があれ、それは一刻も早く終わらせなければならない。
 日本統治から解放されたとはいえ、1945年当時の朝鮮半島は独立すべきではなかったのだろう。ヨーロッパに兵力をさきたかった米ソ陣営の思惑もあっただろうが、5年以上は信託統治されるべきであったと思う。


 さて、同じく、米ソ冷戦の犠牲者であるドイツは、1990年に統一を果たした。しかし、朝鮮半島は分断されたままである。なぜだろう?
 経済格差は問題ではない。東西ドイツはそれを乗り越えた。歴史があり、誇りがある民族ならば、いかなる障害があっても統一すべきである。
 朝鮮半島の統一を望まない国家は、中国であろう。北朝鮮という防波堤を失うことは、国防問題に直結する。米国や日本も、半島の統一は支持しないだろう。38度線という防衛ラインがあったほうが、兵力は少なくてすむ。有事の際も、韓国という防波堤があるかぎり安心できる。おそらく、中国、米国、日本ともに、朝鮮半島の統一を積極的に支援することはないだろう。
 しかし、他国の思惑など関係ないではないか?
 統一国家すら作れない民族に、敬意を抱く人がいるはずがない。他国からの尊敬を得たいのならば、中国、日本、米国の意向にさからって、一刻も早く、統一を果たすべきである。
 そうでないかぎり、朝鮮半島は「防波堤」にすぎない。朝鮮戦争の歴史は、今もなお、それを学ぶ人の疑問を招いている。「ところで、朝鮮人はこのとき、何をやってたんだ?」

慰安婦問題

 占領国と植民地との間に歴史認識の違いがあるのは当然である。韓国は「慰安婦問題」などで、占領下の日本統治の悲惨さを訴えている。

 しかし、疑問が起こる。韓国人が「慰安婦問題」を訴えるのは白人国家ばかりである。かつて、外国に植民地を持ち、数多くの反乱を起こされた経歴のある国に向かって、韓国人は言う。「日本の植民地支配は悲惨でした!」

 白人はこの言葉を信じたがっている。なぜなら、帝国主義は白人にのみ許されることであって、黄色人種である日本人には許されないという意識があるからだ。つまり、植民地支配が悪いのではなくて、「日本人の」植民地支配が悪いと思いたいのである。
 日本人は欧米諸国にとって不気味な存在であり続けている。第二次世界大戦までは、日本は中国やロシア、果ては英国・米国にまで戦争を挑んだ。神風特攻隊という自爆作戦すらも生み出した。第二次世界大戦後は、経済的に急成長をとげ、いつしか日本製品は世界中にあふれるようになった。宗教も違えば、肌の色も違う。有能だが得体の知れない民族、それが日本人である。
 そんな日本人の反発心から「日本人は戦争で残虐だった」という話に白人は飛びつくのである。特に、米国には日本に原爆を落とした後ろめたさがある。「日本は奇襲攻撃を仕掛けてきた」といっても、米国が宣戦布告をして戦争を起こしたことなんて、数えるほどもない。キューバ政権瓦解をくわだてた「プラヤ・ヒロン侵攻事件」では、鎮圧されてから初めてケネディ大統領が世界に向けて公表したぐらいである。だから、日本は悪でなければならないのだ。当時の日本人は文明的に遅れていなければならないのだ。その誤った支配を正すべく、米国は正義の戦いをしたのである。その証拠が「慰安婦」であり「レイプ・オブ・ナンキン」ではないか。
 いわば、「慰安婦問題」は、白人の「反日感情」を満たすために受け入れられていると言ってよい。
 ところで、その当事者である韓国についてだが、白人の認識は「不幸な植民地」でしかない。自分たちも数多くの植民地を抱えている。白人が知りたいのは「本当は残虐な日本人」であって、韓国人ではない。
 なお、この「慰安婦問題」はドイツにとって、大きな慰めとなっている。ドイツのwikipediaの「強制売春」の項にはこうある。

第二次大戦中、国防軍とSSは数百の慰安所を設置し、数万人の女性に売春を強制した。そこで性病に感染した女性は射殺された。

日本軍はより大規模に強制売春を行い、主に韓国人と中国人からなる占領地の婦女子(約20万人)を虐待した。過去の罪を軽く見せるため、現在日本は「慰安婦」という用語を使っている。
http://de.wikipedia.org/wiki/Zwangsprostitution#Zwangsprostitution_in_Kriegszeiten_und_-zonen

 
 もちろん、様々な苦難を乗り越えて統一を果たしたドイツにとって、未だに分断国家である朝鮮民族を、共に対話するに足る存在とみなしていないのは当然である。


 朝鮮半島統一の動きは相変わらず緩慢であり、朝鮮民族の誇りや歴史を疑わざるをえない。未だに1945年8月15日を祝っているようでは、歴史認識が浅い。日本から解放されても、分断されただけではないか?

 日清戦争日露戦争では、日本軍の通り道にすぎなかった朝鮮半島は、朝鮮戦争でも中国軍と国連軍の戦場となっただけである。その間に同民族間で虐殺があったという。「朝鮮半島はひとつ」という思想がなかったのだろう。つまり、民族精神が甘いということである。

 これら、恥ずべき歴史と向かい合い、統一を果たしたとき、初めて、朝鮮半島は世界の舞台に立つといえる。
 もちろん、民族と個人は別である。ただ、属する民族は、他人をごまかすことはできるが、自分をごまかすことはできない。自分を知るうえで、自分の属する民族の弱さや強さは知っておくべきだろう。


(一部、不適切な表現があったので訂正しました)