ミク、宇宙へ! 「超電磁P」の打上げ現場レポート動画【ヘッドフォン推奨】

 
 5月21日、種子島宇宙センターから打ち上げられた「H2Aロケット17号機」
 それを現場で見届けていた、ニコニコ技術部員「超電磁P」によるレポート動画が公開されている。
 

はちゅね初!宇宙へ 【最終回.H-IIAで㌧じゃったw 】 - ニコニコ動画
 
 
 JAXA公式映像では伝わらなかった、打上げ音の凄まじさと現場の緊張感が味わえる映像に仕上がっている。
 ぜひとも、ヘッドフォンをして、見てほしいと思う。
 
 
 以前に紹介したように、「超電磁P」こと森岡澄夫さんが中心になって、「ミク絵」のプレートを金星探査機「あかつき」に搭載するべく、メッセージ募集プロジェクトが立ち上がった。
初音ミク、金星へ ― 「あかつき」、「はやぶさ」、宇宙のロマン - ニコニコ技術部員たち(7)
 
 
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 結果として、一万人以上のメッセージを集めることに成功。
 3枚のプレートが、金星探査機「あかつき」に貼りつけられることになった。
 
 
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 そして、その名目で、超電磁Pは、搭載前の「あかつき」を取材することが許されたわけである。
 
 
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 「あかつき」プロジェクトマネージャーの中村正人教授へのインタビューも!
 
 こうして、ニコニコ技術部では、JAXA提供による映像とは別の、独自の打上げ映像を残すことができたのだ。
 「ミクを宇宙に?」といぶかしがっている人も、この成果を目の前にしては、素直に「うらやましい」と思うのではないか。
 
 
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 さて、打上げ予定日であった5月18日の前日。
 時速2キロという速度で、H2Aロケット17号機は慎重に発射台へと運ばれる。
 
 
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 なお、現地には奥さんとお子さんも連れてきた模様。
 超電磁Pはリア充なのである。
 まったくもって、奥さんとお子さんがうらやましい。
 
 
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 打上げ予定日前夜。
 世界一美しいロケット発射台といわれる「種子島宇宙センター」は、やはり夜も美しかった
 
 
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 そして、当日の5月18日。
 徹夜明けで挑んだ、超電磁Pの耳に聞こえたアナウンスは「打上げ順延」のお知らせ。
 現場では、人々のやりきれないため息がもれる。
 
 しかし「こんなこともあろうかと!」、本業は休暇を取っていたのであろう。
 二日後の5月20日にも、超電磁Pは種子島にいた。
 
 
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 そして、またもや、時速2キロでのっそりと運ばれていく、H2Aロケット17号機
 もし、これがこけてしまったら、何百億円の損害になるだろうか、と考えるのは僕だけであるまい。
 
 
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 新たに「H2Aロケット17号機」の打上げ予定となった5月21日。
 天候は良し。
 今回は超電磁Pも眠ることに成功し、体調万全で打上げにのぞむことができたようだ。
 
 
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 取材陣がすぐそばにいるのにも関わらず、ミクのフィギュアを並べる超電磁P。
 なにしろ彼は一万人以上の署名を集めた実績があるのである。
 みっくみくにされたタダの痛い男ではない。
 一万人以上のみっくみくにされた痛い人たちの代表者なのだ。
 
 
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 カウントダウンが始まり、場は緊張に包まれる。
 できれば、ヘッドフォンをして、じっくりと見ていただきたい。
 
 
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 そして、打上げ!!
 
 
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 この打上げ後に襲う爆音をなんと表現していいのだろうか。
 音量が大きさのではない。音のうねりが完全に異なるのだ。
 ロケットの打上げには、F1マシン450台分ものエネルギーを使うという。
 僕はこんな種類の音を、これまで聞いたことがなかった。
 
 
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 カウントアップが「60」を告げたとき、ようやく、現場では拍手が起こる。
 打上げから一分間、話し声一つなく、人々は空を見守っていたのだ。
 そんな現場の雰囲気を知ることができるのも、この動画ならでは。
 
 
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 やがて、人々の談笑する声が聞こえる。
 百発百中で成功できる膝カックンの機会を、失ったような気がしないでもない。
 
 こうして、無事に「初音ミク」(および「はちゅねミク」)を載せた、金星探査機「あかつき」は、宇宙に飛び立つことができたのだ。
 ミク宇宙進出計画は成功したといえるだろう。
 
 しかし。
 
 このミクプレートとは別の企画が、ニコニコ技術部では行われていたのである。
 
 
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 それは、「ねぎ振りミク」を宇宙に飛ばすという壮大なプロジェクト。
 
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 ニコニコ技術部を象徴する「ねぎ振りミク」を、無重力状態で実現するべく、超電磁Pは試作を重ねてきたのだ。
 
 
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 こちらのような、プラスティック製のモデルロケットだけではなく、
 
 
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 米国ネバタ州にて、本格的なモデルロケットでの実験もしているのである!
 
 
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 もちろん、ペイントはミク。まさに「痛ロケット」である。
 
 
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 そして、「ネギ振り」!
 なんという壮大かつ無意味な実験!!
 
 
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 ミクプレートを載せた「あかつき」は、宇宙に進出したが、まだ「ネギ振りミク」は宇宙に出ていない。
 「最終回」と題しているが、あくまでもこれは「第一部 完」
 ニコニコ技術部員の宇宙への挑戦は始まったばかりなのだ!
 
 
 そして、「ソードマスターヤマト」と違って、第二部は順調に進行中である。
 この「ネギ振りミク」宇宙進出もまた、「夢物語」ではないのだ。
 
 今回の「H2Aロケット17号機」には、金星探査機「あかつき」と、ソーラーセイル実証機「イカロス」のほかに、四つの「相乗り小型衛星」が搭載された。
 
 
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H2Aロケット17号機搭載図(引用元:http://www.youtube.com/watch?v=7_6HOqBkP2o
 
 
 しかし、残念ながら、一週間もたたぬうちに、「相乗り小型衛星」の4基のうち、3基が電波途絶状態になってしまっている。
そして、創価大学衛星だけが残った ー 1年前より悲惨な結果の小型相乗り副衛星
 
【追記】
http://www.yomiuri.co.jp/space/news/20100602-OYT1T00848.htm
 
 
 そんなニュースを聞くと、誰もがこう考えるだろう。
「もしかして、ニコニコ技術部でも、相乗り小型衛星を搭載することができるんじゃないか?」
 
 実は、それを可能にするべく、すでにプロジェクトチームが立ち上がっているのである。
 その名を「ソーシャル・メディア衛星開発プロジェクト SOMESAT」と言う。
 
 

【SOMESAT】ソーシャル・メディア衛星開発プロジェクト【PV】 - ニコニコ動画
 
 その「SOMESAT」の衛星には、ネギ振りミクが搭載されることが決定済みである。
(むしろ、それが第一目的である)
 
 
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 宇宙に飛び立ったミクが、我々のはるか上空でネギを振り続ける。
 考えただけで、胸が熱くならないだろうか。
 そんなバカなことを本気で実現しようとしている人たちがいることに。
 
 
 カーナビやケータイに搭載されたGPSは、今では不可欠なものである。
 人工衛星は、TVの気象情報だけではなく、個人の生活に入りこむほど深く密接している。
 
 そう、ミクが宇宙でネギを振ることだって、可能な時代になったのだ。
 
 「ミク宇宙進出計画」は、夢物語ではない。着実に前進しているのである。
 
 
【関連リンク紹介】
 
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◆ソーシャル・メディア衛星開発プロジェクト SOMESAT
http://j.nicotech.jp/somesat
 
 見ていただければわかると思うのですが、実現する可能性がハッキリと示されたプロジェクトです。
 超電磁Pによると、「プロジェクトへの参加者、絶賛募集中! 技術系でなくてもOK!」とのこと。
 ここで紹介した動画だけではなく、関連動画も数多く公開されています。