登戸ブルース(9) −食費のコストパフォーマンス

 
 食費をいかに切りつめるか、という話になると、やけに張りきる人たちがいる。
 パスタ最強とか、小麦粉最強とか。
 
 僕は先週、シーチキン・ライスのうまさに目覚めたのですが、よく考えると、シーチキン・ライスっていうのは、なかなか贅沢な料理なんですよね。
 
 まず、お米。180gで一合となるわけですが、5kg2000円のものだと、250g100円となります。
 最近は、レンジで温める米飯が安くなって、250g105円の商品があったりします。炊飯器でたくのと、あまりコストパフォーマンスは変わりません。
 そして、シーチキンというのは商標で、本家はごろもフーズのものは、一缶250円ぐらいします。だから、一缶100円程度のツナ缶を買っています。
 ということで、シーチキンライスは、約200円かかる、ということです。卵だと10個パック150円ですから、卵かけご飯の115円に比べると、はるかに高くつくわけですよ。
 
 それよりも断然コストパフォーマンスに優れているのが、100円食パンです。安いところだと、100円で8枚切りとか売っています。
 僕は食パンにマヨネーズをかけて焼く、というB級グルメが大好きなのですが、この100円食パン8枚で、一日過ごせる自信ありです。毎日だったら耐えられなくなるでしょうが。
 
 パスタだと、350g100円で売ってたりします。二回に分けて作るのも良しですが、僕は面倒なので一度に作って全部食べます。パスタの問題はソースをどうするか。基本的に、オリーブオイルなどのなめらかさがないと、パスタの味は楽しめません。先輩は「なめ茸」を入れる、という劇的な発明により、それとバジリコとペペロンチーノの粉末をかけて、食べています。これだと、120円ぐらいで腹いっぱいですね。
 
 袋ラーメンだって、安いところだと、5食200円で売っていたりします。何も入れないで作ると悲惨ですが、キャベツやもやしやネギを入れると、それっぽくなります。卵をいれるとさらにベター。これでも、一食100円切ります。ただ、ラーメンのスープをそのままにするのはもったいない。その中にご飯を入れて食べるラーメンライスがなければ、おなかいっぱいにはなれませんね。
 
 しかし、コストパフォーマンスでいえば、小麦粉にまさるものはないという意見が多数派です。ただし、お好み焼きを作るにせよ、ホットケーキを作るにせよ、卵や牛乳などが必需品となります。ほかのものは、それだけでも食べられなくはないですが、小麦粉だけ、というのは悲惨きわまりないと思います。
 
 と、いろいろ主食候補をあげてみましたが、僕は米飯派です。やはり、満腹感が違います。
 卵かけご飯を始めとして、ふりかけや納豆、レトルトカレーやツナ缶など、様々なバリエーションがあります。何もなくたって、ご飯を噛みしめるだけでおいしいものです。
 かつて、江戸時代や戦時中では、お米を満足に食べられなかった人がほとんどでした。それに比べて、我々はなんと恵まれているものか。その思いを噛みしめながら食べてると、ほかのものがいいとか贅沢言ってられなくなります。
 
 そんな僕には、炊飯器は必需品です。レンジより炊飯器です。そして、米を炊く、という作業を日々の生活の中に組み込みます。お米のおいしい炊き方は、なんといっても、炊く前に水につけることと、炊いてからしばらく蒸らすことにありますが、炊飯器の予約システムにより、それは可能となります。料理下手な僕でも、お米ぐらいはまともに炊くことができるんです。
 
 それに、お米が炊いていることで、料理のバリエーションが広がります。スーパーの総菜コーナーで見切り品を買ったりと、半自炊という形でも楽しめます。
 
 僕がいま厄介になっている先輩もお米好きでありまして、一日五合炊いて、二人でむしゃむしゃ食べています。余った野菜をまとめて炒めて、めんつゆと塩コショウで味付けしただけのものでも、ご飯があればだいじょうぶ。
 さらに、これからサンマが安く買える季節になっています。焼き魚とご飯なんて、それはもう、至福の極みであります!
 
 食費のコストパフォーマンスについては、机上の空論が多い気がします。駅からあちこちコンビニが建ち並び、ふらっと入ってしまえば、せっかく切りつめた食費もパーです。ダイエットと同じで、理想論をふりかざしても、解決にはなりません。
 そんな欲望をおさえつけるには「家に炊いたお米がある!」ということが、もっとも効果があると思います。ついつい弁当を買っちゃうときも、お米があったのならば、総菜だけですむわけで。
 
 小麦粉派の意見を聞くと、いつも作るのが大変だと思います。果たして、それで満腹感が得られるのかという疑問があります。食費を削るといいながら、お菓子なんて買ってしまったら、そんなものは大失敗ですし。
 
 ということで、食費を削るには、お米を炊く習慣を身につけることから始めるべきでしょう。
 だいたい、食費のことをあれこれ考えすぎると、必ずや余計なものを買っていますしね。
 余計なことは考えず、お米を炊く! これですよ。