「あたし彼女」って、なかなか良いエンターテイメント

 
 
皮肉でも何でもなくて、ケータイ小説の「あたし彼女」って面白いと思う
 
ニコニコ動画の実況動画とか、やる夫シリーズとか
なんだか作り手が大変そうに思えるんですけど
 
あたし彼女」に関しては、そういう気持ちが起こらない
 
 
あたし彼女」を読んで「切ない」とか「リアル」と感じたのならば
それは良い時間を過ごすことができたわけで
作者も読者もハッピーじゃないですか
 
とりあえず、「あたし彼女」全文はこちら
http://nkst.jp/vote2/novel.php?auther=20080001
 
これだったら読めない人が多いみたいなので、
あらすじを文章でまとめたものがある
 
http://d.hatena.ne.jp/konaken/20080927/1222520200
 
ただし、これを読むだけではただの「昼ドラ」と思われるかもしれない

批評しているところはいろいろあるが、僕がなるほど、と思ったのは次のページ
 
http://mint-seijotcp.blog.so-net.ne.jp/2008-09-29
 
 
後半は冗長になっているし
なぜか、男の視点でふりかえる安直な手法も使っているみたい
 
話者を転換するのは小説の手法のひとつだけど
時間軸が重なるのならば、その必要性はないでしょ?
 
 
あと、僕は分岐も嫌い
実は「やる夫がセクロスに挑戦するようです」をなかなか楽しんで読んでいたけど
分岐の時点で興ざめになったんですよね
 
 
しかし、やる夫シリーズや何かに比べると
ケータイ小説を作る手間はずっとラクではないかと思うわけで
 
たとえば、演出のシーンとか
 
以下、縦長なので、だーっと読んでください
 

 
あぁ

アタシ

あっけない人生

こんな

寂しい場所で

一人

寂しく



嫌だな

なんか

一人って

嫌だな

嫌だな

嫌だな

嫌だな

嫌だ

嫌だ

死ぬの

嫌だ

やだ

やだ

やだ

死にたくない

誰か

誰か

やだ

やだ

誰かー!!

あぁ

こんな

暗闇で

誰も

いない

声も

届かない

怖い

怖い

 
 
これで、臨場感を得られるならば、手法としてはアリじゃないかと。
漫画だったり、AAだったり、映画だったりしたら
これを打つ(「書く」と同義的意味で)よりも手間と金がかかるだろうと
 
これでリアリティが生み出せるなら、TV番組にかけるカネなんて、ちゃんちゃらおかしいですよね?
言葉だけのエンターテイメントとして、ケータイ小説は可能性があると思います
 
 
ただし、これらで生み出せるのは「共感」でしかありません
 
つまり、価値観を共有していない人にはサッパリだから風化も早い
 
 
でも、「物語」に「共感」しか求めない読者っているじゃないですか?
そういう人たちからすれば、ケータイ小説を読むことは有益だと思います
 
 
と、ここまで書いて、まだ「あたし彼女」を読んでいない僕でした