読んだラノベとか
五連休の間に、読んだラノベについて。
- 作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2005/06
- メディア: 文庫
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まず、K先輩が貸してくれた、「とらドラ」の作者が書いた「わたしたちの田村くん」
僕は「とらドラ」を読んだことがなければ、アニメも見たこともないのだけれど、K先輩の「女性が書いただけに、生々しいよ、いろいろと」という言葉が気になって読んだ。
頭が痛くなるほどの感情描写である。やはり、女性は恋愛に命がけであり、そんな覚悟のない僕は「ひゃー」と逃げたくなる。
でも、女にモテてる奴が、そんな妄想過多な女子の妄想をわかっているかといえば、そうではなくて、わかったふりをしているだけである。妄想過多な処女の感情をすべて受け入れる男性なんて、世界中探してもどこにもいない。
僕はそういう男女の「意識のズレ」を楽しむのが小説だと思っているので、こういう感情の書き殴りが小説であるかどうかは疑問ではあるが、たまにはドップリ浸かるのも悪くはない。
ちなみに、これを読んで、僕は自分の高校時代のことを、一日頭痛がするぐらい考えた。ラノベを読むと、高校時代の自分と向き合えるっていうのがいい。
半分の月がのぼる空―looking up at the half‐moon (電撃文庫)
- 作者: 橋本紡,山本ケイジ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2003/10/01
- メディア: 文庫
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次に「半分の月がのぼる空」。前に四巻まで読んでいたけれど、最後までまとめ買いして読むことにした。
一巻は文句なしにジュニアノベル(中高生向け小説)の傑作で、「○○文庫の百選」クラス。しかし、二巻以降は、かなり内容が弛緩している。四巻なんて小説としての基本設計がなってない。二巻以降は「半月シリーズ」という別物として味わうほうがいい。
ただ、二巻以降の主要人物である「夏目先生」の描き方は、わりと好きである。主人公とヒロインの仲を乱すのが、同級生ではなく年上の社会的立場のある人間っていう試みは良かったと思う。
八巻まで出ているが、本編は六巻まで。その六巻は後日談みたいなものだが、想像していた以上に楽しめた。「性格が悪い」ヒロインの魅力がよく描かれていた。
ただし、数年の命のヒロインであることが、何よりも個性的であるはずなのに、最後に主人公が「二年後か三年後に……」なんて悠長なことを言っているのはどうか。こういうのは、読者と作者の距離が近すぎるラノベの欠陥みたいなものだ。一巻よりも死が遠ざかってるのは、ヒロインの死を見たくない読者の要望にこたえすぎた作者の失敗である。
無論、作者は夏目先生を通じて、二人が待つ運命については書いてはいる。ただ、三巻ぐらいで読者が覚悟した「終わりゆく二人の恋愛」という緊張感が、どっかに行ってしまったのは残念。
それにしても、「半月」一巻は、どこの書店にも並べられてしかるべき傑作なのだが、入れ替わりの激しいラノベの棚には、陳列されていないことが多い。ラノベの賞味期限の早さ、というか、売りたいものの押し付けがまかり通っている、というか、そういうこの業界の弊害を感じたり。
あと、ニコ動で「俺妹」13話を見た。12話で補強されたオープニングは素晴らしい出来栄えだなあと改めて思った。これを1話目から流すことはできなかったのかと。(上の動画はちょっと音ズレしているので注意)
今回の13話を見ながら、ラノベ原作の第七巻を思い出して「やっぱり、あの展開はねえよ」と考えた。黒猫は魅力的なキャラではあるけれど、地味子こと田村麻奈実がいてこその、桐乃の嫉妬があったわけで、それが「俺妹」シリーズの推進力だったと僕は思ってる。
田村麻奈実に遠慮しようとしつつも、京介のおせっかいを断れない黒猫のいじらしさこそが「ブヒイィィ」と萌えられるスパイスであるわけで、フツーに黒猫と京介が付き合ったところで、僕としては萌えられないなあ、と。
僕にも「田村麻奈実」的な立場の女の子がいた。実はその思い出話を連休中に書こうとしたんだけど、うまくいかなかった。
もし、京介が黒猫と付き合ったら、それまでの地味子の献身っていうのを失うわけで、それはかなり大きいものである。そのでかさを、「俺妹」作者が第八巻で書けたら、面白いことになるんだけど、たぶん書かないだろうなあ。