ニコニコ動画傑作選(1)ファミうた
ファミコンなどのゲームBGMを、初音ミクなどのボーカロイドに歌わせたり、アレンジを加えて自分が歌ったりしたものを「ファミうた」と言う。
20代後半から30代前半の人たちには、かなり楽しめる内容である。もちろん、歌詞の見事さよりも、それぞれの作品に対する「愛」が大事なのは言うまでもない。
この代表作は、なんといっても「ミクランカー」
・ニコニコ動画 ―【初音ミク】ミクがスペランカー略して「ミクランカー」
ファミコンでもっとも貧弱な主人公として有名なスペランカーの奮闘ぶりを、初音ミクを主人公にして再現した動画である。歌詞とプレイ内容が合致した、非常に完成度の高い作品。
この動画を見れば、スペランカーがただの「クソゲー」でないことがわかるだろう。
この作者(ドンフライ氏)はほかにも、数多くの「ファミうた」を作っている。
「ドルアーガの塔」BGMの替え歌は、古くから知られていた。この動画以前にも、初音ミクに歌わせた「いくら丼が食べたかったなあ〜」動画はニコニコ動画は公開されていた。
しかし、「ミクランカー」の作者という知名度、初音ミクの歌声の完成度、そして内容の面白さで、後発動画であるのにも関わらず人気を決定づけ、今なお再生数を伸ばしている恐るべき動画である。
それぞれの食品の、金額やカロリーの表示がつくなど、ニコニコ動画ならではの字幕の楽しさで知られる。
「ミクランカー」以前にも、作者は完成度の高い「ファミうた」を公開していた。その一つがハドソンの「ドラえもん」ならぬ「ミクえもん」である。
効果音やBGMのほとんどをミクに歌わせているところがすごいが、気づけば、プレイ動画に目を奪われてしまう。TAS動画のように、最速を目指した洗練性はない分、作者のプレイのうまさにひかれてしまう。
そう、この作者の人気が高い、最大の理由は、それぞれの作品に対する愛着が、見ている者に伝わるからだ。
初音ミクという最新ソフトにより、古きファミコンの名作をよみがえらせることに成功したこれらの作品は、ファミコンを知らない世代にもその面白さを伝える完成度の高さがある。
- ドンフライ作品リスト
(ほかにも「アトランティスの謎」や「迷宮組曲」などがあります)
最近の「ファミうた」界で大人気なのが、ヒャダイン氏。
コミカルでちょっとアダルトな歌詞、そして、ボイスチェンジャーによる声の使い分けによるミュージカル性、そして聴きやすいアレンジ。原作を知らない人でも楽しめるのが、ヒャダイン氏のファミうたである。
誰もが知っている、スーパーマリオワールドのフィールド曲をもとに、マリオとクッパとピーチ姫のかけあいが楽しめる。もちろん、後半には、いつも忘れられた存在である「彼」も登場する。
個人的にもっとも好きなのが、ドラゴンクエスト4の「おてんば姫の行進」。アリーナとクリフト、そしてブライじいさんのボーカルも楽しいが、ミュージカル風のオリジナルアレンジがとても良い。
こうして、多くのニコニコ動画ユーザーの支持を得ているヒャダイン氏の曲に、多くの人がアニメをつけている。「おっくせんまん」で有名なDNA氏も「イー・アル・カンフーでラップ」にアニメをつけて公開している。
・ニコニコ動画 ―イー・アル・カンフーで、ラップにアニメ動画をつけてみた。
この他にも、ヒャダイン氏は、ファイナルファンタジーなどの「ファミうた」を数多く公開している。
あと、「ファミうた」専門の人の作品ではないが、「恋するロードランナー」がとても気に入っている。
この作者はブログでも作品を公開している。「はいぽせしす」など魅力的な曲が多く、MP3でダウンロードできる。
なお、上記の背景動画は、チャンピオンシップ・ロードランナーの全面クリア動画より。興味を持った方は、下の動画をどうぞ。