【レビュー】涼宮ハルヒの分裂 (紹介者:谷口・国木田)

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)

 
谷:どうも、谷口です。
国:国木田です。今回はなぜか僕たちが紹介することになったんだけど。
谷:なにを話せばいいのやら、だよな。
国:うん、キョンたちがなにをやってるのか、僕たちには全然わからないし。
谷:分裂っていうからには、涼宮が分裂したんだろ?
国:まあ、そうだろうけど、あんまり具体的な事件のことではないと思うな。ほら、うちの高校って普通だし、ファンタジーとは無縁だし。
谷:俺の予想では、涼宮には、良い涼宮と悪い涼宮がいてだな。この北高に入学したときまでの涼宮は悪い涼宮だった。ところが、キョンが、どっかで良い涼宮を見つけてだな、悪い涼宮と良い涼宮を融合させたわけだ。おかげで、涼宮もマシな女になったわけさ。
国:それ、どこかで聞いたことがある話なんだけど?
谷:まあ、それは冗談だが、実際のところ、中学のときの涼宮はひどかったもんだぜ。同級生のことなんて、カボチャ程度にしか見なかったんだろうな。だいたいだな、あの、いつも人をさけずむような視線がだな、
国:おいおい、谷口。私情まじってるって。いくら中学のときにフラれたからといって。
谷:だから、その話はやめてくれよ! まあ、そんな涼宮も、キョン尊い犠牲により、今ではそこそこまともになったわけだ。めでたし、めでたし。俺はあの二人の幸せを願わずにはいられないぜ!
国:でも、キョンって、いつも美少女三人と一緒にいるもんね。正直、うらやましいよね。
谷:いやいや、SOS団のもう一人の男子、古泉一樹という奴。こいつは怪しいぜ。いつもニヤけてるむかつく野郎で、なぜか女にモテるんだが、浮いた話を全然聞いたことがない。どうやら、ここではうまく説明できないが、かなり同性愛者である可能性が高いと見ている。
国:ははは。
谷:そう、古泉もキョンをねらってるんだ。哀れキョンは、涼宮のパシリであるばかりか、古泉にも熱っぽい視線を浴びつづけてる毎日を送ってるわけだ。そして、ついに部室にて男二人の禁断のラブシーンが!
キ:……いい加減にしろよ、谷口。
国:あれ、キョン。いたの?
谷:おいおい、俺たちに任せるんじゃなかったのかよ。これから話は佳境に入るってとこなのに。
キ:佳境もクソもあるか。それより、ちゃんと真面目に紹介してくれないと、こちらとしても困ったことになる。
国:ねえ、なんで僕たちがこんなことしてるの?
キ:そりゃ、ハルヒにバレたからだ。あいつが書くとなると、いろいろ面倒なんだよ。ここだけの話、ハルヒには秘密にしていることが多すぎるんだ。だから、今回はお前たちでさっさと片付けてほしかったのだが。
谷:しかし、みんなに順番に任せるとか言っておきながら、お前、やたらと出てるだろ?
キ:……これで三回目だ。出たくて出てるんじゃねえ。
国:それはともかく、キョン、僕たち何を話せばいいの?
キ:そうだなあ。俺たちが二年に進級しての話だから、そこらへんを頼む。
谷:おっと、そうなると、俺の新入生美少女チェックの時間が始まるぜ!
キ:残念だったな、谷口。お前の美少女チェックは、今回は何ひとつ意味をなさない。
谷:ゲッ。じゃあ、俺の存在価値はいったい何なんだよ!
キ:いや、お前はお前なりにがんばってくれればいいんだ。いわゆる普通の高校生。それが、お前のポジションじゃないか。
国:そうそう、新入生が入ってきたんだから、キョンのやってる、その、SOS団とかも、いろいろ人が増えるんじゃない?
キ:いやあ、ハルヒが入団試験とか変なことをやらかしているおかげで、SOS団の新入生はなかなか決まらない。
谷:そして、お前は永遠にパシリというわけか。
国:いやいや、キョンはそれほどパシリじゃないよ。
キ:いいっていいって。もうね、俺も否定するのに疲れた。ハルヒの手下とでも、パシリとでも何とでも言ってくれ。
谷:まあ、あの涼宮の相手をあれだけ続けてるだけでも大したもんだぜ。
国:そうだよね。キョンって昔から変な女の子が好きだからね。
キ:だから、国木田。お前がそういうことをみんなに言いふらすからだな、
谷:そういや、キョンの中学時代の女ってどんな奴なんだ?
キ:女って、彼女でも何でもねえよ、あいつとは。
谷:ほほう、あいつ、とな? これはキョンの親友として一年の実績をほこる、この谷口がくわしく聞かねばならんな。国木田、どういうところが変なんだ?
国:いやあ、ほんと、最初から変だよ。頭のてっぺんからつま先まで。よくキョンはあんな子と話してるなあ、と感心してたもん。
谷:ほほう、涼宮と同じ匂いがぷんぷん漂ってますなあ。
国:まあ、涼宮さんと違って、変なことをして周囲に迷惑かけるタイプじゃなかったけど、成績が良かったりとか、自分のポリシーを曲げないところとか、あと顔がキレイなことは似てるなあ。
谷:なるほど、じゃあ、もし、そいつがこの学校に転校してきたら、ちょっとは面白いことになるだろうな。
国:うわあ、それは考えたくないね。
谷:しかも、同じクラスになったらエラいことだ。キョンをめぐって、変な女二人の壮絶なバトルが繰りひろげられる!
キ:すまんが、そんな下らない妄想は勘弁してくれないか。そろそろ、マジメに本の紹介をしてくれないと。
国:そうそう、これってシリーズ初の続きものなんだよね。『涼宮ハルヒの驚愕』って本にそのままつながるらしいじゃない?
谷:なるほど、道理で、やたらとページの余白が多いと思ったぜ。そういう商売に出たわけか?
キ:ちょっとそれ以上のことは言わないでくれ。いろいろ面倒なことになる。
谷:しかし、分裂→驚愕ってどんな話だろうな。やっぱり、良い涼宮と悪い涼宮がいてだな、無事、融合していたはずが、時のひずみにたえられなくなり、また再分裂しちまうわけだ。そして、国木田のいってたそいつ、名前はなんといったっけ?
国:佐々木さん。
谷:そう、佐々木なる変な女がからんで、そりゃもう、驚愕の境地に達するわけだ。
キ:……それで紹介のつもりか?
国:いや、そもそも僕たちが説明するのが無理あるし。やっぱりキョンがまとめてよ。
谷:そうそう、佐々木なる変な女の話も聞かせてくれ。
キ:まあ、今回は一冊で完結する話じゃないから、もともと紹介するのは難しいんだけどな。
谷:あれだ。結局、涼宮と佐々木の変人コンビと、お前と古泉がくっつけば、すべて丸くおさまるんじゃないのか? もはや、性別がどうのこうのいう時代じゃないし。
キ:……殴っていいか?
国:ははは、谷口。それを言っちゃうと、僕と谷口がくっついちゃうことになるよ。
谷:……マジ?
国:…………。
キ:ちょ、ちょっと、国木田! その沈黙はヤバいぞ。せっかくのアニメ二期の可能性をつみとるつもりか!
国:ははは、こんな感じで、この本でも僕たちが人数合わせでいろいろ出てくるんで、ぜひ、楽しみにしてくださいね。
谷:うはっ、うまくしめやがった!
キ:(って、国木田、否定しないのかよ!)