僕のクソゲーNo.1は『高橋名人のBugってハニー』
「クソゲー」という言葉を僕が最初に知ったのは、藤崎竜の漫画『PHYCO+(サイコプラス)』の一話目だったと記憶している。
僕は藤崎竜作品では『PHYCO+(サイコプラス)』と『Dramatic Irony』が好きである。どちらも、ストーリーはさておき、独特な雰囲気が魅力で、幼かった僕に特異な感触をもたらしたものだ。
このように、僕は週刊少年ジャンプの連載漫画で「クソゲー」という言葉を知ったのだが、それまでは「ダメゲー」というふうに呼んでいた。
といっても、少年時代の僕は、つまらないゲームに遭遇したときも、「自分のプレイが未熟だから面白さに気づかないのでは?」と考え、「ダメゲー」とすぐに決めつけることはなかった。
商品として全国のショップで売られているからには、少なくともスタッフの間で「これは面白いぞ!」と胸を張って言えるようなものがひそんでいるはずだ、と。
そんなお人好しだった僕にも、「これはあんまりだ」と思うゲームがあった。
それが「高橋名人のBugってハニー」である。
今では動画共有サイトのおかげで、数多くのクソゲーを知ることができるようになった。
しかし、それでも、僕はみずからの幼少期の記憶から、「Bugってハニー」をクソゲーの筆頭にあげる。
このプレイ動画を見ればわかる通り、下の二つの画像は、信じがたいことに、どちらも「Bugってハニー」というゲームの画面なのだ。
なぜ、アクションゲームとブロック崩しが混在しているのか。
それを知れば、僕が「Bugってハニー」をクソゲー代表作とした理由がわかるはずだ。
(1) なぜ、アクションゲームとブロック崩しが混在しているのか?
「Bugってハニー」は、当時としては珍しいことに、最初から操作キャラ(「ハニーちゃん」)が浮遊移動するアクションゲームである。
ほかにも「オバケのQ太郎 ワンワンパニック」などの例があるが、攻撃手段に乏しい「ワンワンパニック」に比べ、「Bugってハニー」は操作性が快適である上に、ハート型ミサイルはどの敵にも通用する。
軽快なBGMとあいまって、プレイして一分間は、実に楽しめるアクションゲームなのだ。
ステージ1の果てには、閉ざされた扉が待ち構えている。
それほど面が長くないため、誰もが容易にたどり着ける扉である。
ところが、この扉を開けるのに、驚くべきことに20分以上に達する苦行が待ち構えているのだ。
扉を開けるためには、なぜか、ブロック崩しをプレイしなければならない。
↑アクションステージに隠された卵を取ると、
↑唐突にブロックステージが始まる。
(ハニーちゃんはどこに?)
世界観もへったくれもないこのブロック崩しだが、「パスワードを取る」というミッションがなければ、それなりに楽しめるものかもしれない。
このパスワードというのは、それぞれのブロックステージで、特定のブロックを破壊すると、アイテムのように降り注ぐものである。
それらをすべてキャッチしたとき、晴れて、扉は開かれるのだ。
↑一面のクリアパスワード
しかし、それぞれのブロック崩しで、獲得できる正解文字は一つだけである。
つまり、最低でもブロック崩しを8回クリアしなければならないということだ。
そして、一つのブロック崩し面で降り注ぐアルファベットは四つである。
もし、正解となるパスワードを取らなければ、待っているのは「死」である。
↑うっかり違うアルファベットに触れると、この通り。
↑はい死んだ!
(実際には、ライフの1/3の減少だが)
4分の3は爆弾という、とんでもないアルファベットなのだが、その正解文字は、対象年齢である小学生にとって、かなり難しいものであった。
↑一面のクリアパスワード(再掲)
改行位置がいやらしいし、「ハニー」を「HONEY」と表記できる小学生などいない。
結局、攻略本を見ないかぎりは、総当たりで調べるしかなかったのだ。
確率が25%であるのに関わらず、である。
↑取る順番はどうでもよい。逆にいえば、順番どおりに、正解文字は降ってこないということ。
このパスワードをキャッチするために、狭いステージを何度も行き来しなければならない。
正解文字を知っていても、取りこぼすことがあるぐらいなのだから、総当たりで挑んだとすれば、ブロック崩しを20回以上クリアしなければならなくなる。
これに比べれば、ドラクエのはぐれメタル狩りのほうが、はるかに生産的である。
↑おまけに、こんなダマし部屋もある。パスワードが降ってこない、徒労だけのフェイク面。
このような無茶苦茶なゲームデザインのおかげで、ステージ1をクリアするだけでも、20分以上かかる。
必要なのはテクニックではなく、正解パスワードを見つけるために、何度もブロックを崩し続ける根気だけなのだ。
↑この「おくんち」みたいなヤツも何度も倒さなければならない。「苦行」というほかない。
やっとの思いで、一面をクリアすると、高橋名人(原人)を救出することができる。
ヒロインが男を救うとは、マリオの逆だなあ、と感心していたら、二面からは、この高橋原人にプレイキャラが変わってしまう。
そして、二面からは、浮遊移動ではなくなってしまうのだ!
(おまけに、あの軽快なBGMも変わってしまう!)
確かに、浮遊移動のほうが、ゲームの難易度は低くなる。
だから、難易度を上げるために、二面から通常移動になることは、理には適っている。
しかし、一度、浮遊移動の楽しさを知ってしまうと、ただの移動すら「不快」に感じてしまうのが、プレイヤーのサガなのだ。
通常のゲームだと、ステージをクリアするなり、隠しアイテムで、やっと浮遊移動に達することができるようになる。
ところが、「Bugってハニー」は、浮遊移動は一面のみである。
これでは、最初だけ飛空挺に乗れるRPGみたいなものである。
冒険を経て、イベントを成し遂げて、飛空挺に乗れるからこそ、その快適さが楽しめるものではないのか。
そんなゲームデザインの致命的な失敗を、「Bugってハニー」はおかしているのだ。
↑なお、二面のパスワード。
「TAKAHASHI」ではなく「TAKAHASI」である。
全部で4ステージあるので、クリアにはおよそ二時間近くかかる。不毛である。
もし、ブロック崩しとパスワード集めがなかったとしても、「Bugってハニー」は駄作だと言わざるをえない。
アクションステージのボリュームはたいしたものではないし、攻撃手段も単調だ。
だからこそ、抱き合わせ商売のような形で、二つのゲームを混ぜ合わせたのだろう。
この「Bugってハニー」のメーカーである「ハドソン」は、当時、数多くのヒット作を出して、ユーザに圧倒的な支持を受けていた。
「忍者ハットリ君」「チャレンジャー」「迷宮組曲」などは、今でもプレイ動画が数多く公開されている人気作である。
そんなハドソンが、子供だましみたいな抱き合わせゲームを発売したのだ。
その衝撃は、他のクソゲーの比ではなかった。
たいていのクソゲーは、ゲームメーカーのせいにすれば問題ないのだ。
しかし、「高橋名人のBugってハニー」をクソゲーであることを認めることは、「ハドソン」というメーカーを、そして、当時の子供たちの憧れであった「高橋名人」ですら否定することになるのだ。
それは、あまりにも残酷なことであった、と言わざるをえない。
(*)一説によると、このブロック崩しは「ピタゴラスの謎」という開発中のゲームを流用したものらしい。
その真偽はさておき、アクションもブロック崩しも中途半端に終わっているところが、この「Bugってハニー」がクソゲーたるゆえんである。
(2)「Bugってハニー」はどれぐらい売れたのか?
ネット上では正確な数字を見つけることはできなかったが、「Bugってハニー」というゲームソフトは、かなりの売り上げを記録したのではないかと考える。
売れるだけの要素をいくらでも説明できるからだ。
まず、16連射でおなじみの「高橋名人」を冠したソフトであること。
高橋名人は、「Bugってハニー」のメーカーであるハドソンの社員にすぎないが、当時の子供たちにとって「日本一ゲームがうまい大人」として、憧れの的だった。
その人気は社会現象にまでなり、高橋名人は映画出演まで果たしてしまった。
これが、その映画「GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦」のオープニングである。
毛利名人はともかく、高橋名人の特訓のバカバカしさが、1980年代ならではの魅力を放っている。
↑なんなんだよ、コレは……
↑ヘルメットの「高橋」に注目
↑そして、スイカを連打すると……
↑なんと、まっぷたつに!!
もちろん、このスイカ割りはトリックなのだが、子供たちのほとんどは、現実のものとして信じた。
今の子供たちに比べてバカだったせいもあるが、当時はそれほどまでに高橋名人は偉大だったのだ。
やがて、「高橋名人」は、ゲームの主人公としても登場するようになる。
それが、「高橋名人の冒険島」である。
実は、この「高橋名人の冒険島」は、セガの「ワンダーボーイ」の移植作である。
「夢工場ドキドキパニック」が「スーパーマリオUSA」になったみたいなものだ。
しかし、そんなライセンス云々という権利問題は、子供に理解できる話ではない。
そのために、少数派だったセガファンは「冒険島はパクリだ」と言い、圧倒的多数派の高橋名人ファンは「セガ好きなヤツはウソつきだ」とののしったものだ。
こうして、移植作であるのに関わらず、「高橋名人の冒険島」はシリーズ化されるほどのヒット作となった。
それに意を決したのか、ついに「高橋名人」が登場するアニメプロジェクトすら立ち上がってしまったのだ。
それが、アニメ「Bugってハニー」(全51話)である。
主題歌は、ゲームで流れるBGMと同じ曲で、小林亜星の手によるもの。
歌っているのは、なんと、高橋名人本人である。
なかなかの美声を聞かせてくれる。
実は、このアニメ「Bugってハニー」を、僕は未見である。
ただし、特筆すべきアニメではないと思っている。
それはネット上の評判だけでなく、この主題歌の歌詞が個人的に気に入らないからだ。
「生(うぶ)な坊ちゃん ご維新しよう」
「わくわくランドで 冒険開花」
歌っている高橋名人には悪いが、はっきりいって、センスのない歌詞である。
こんな歌詞を書いた人が、アニメ「Bugってハニー」の原案および脚本をしているのだ。
アニメの内容がどの程度のものであるかは、推して知るべし、である。
しかし、それにも関わらず、この「Bugってハニー」は映画化までされたという。
↑ハドソンムービー第一弾『Bugってハニー メガロム少女舞4622』
(第二弾が何かというヤボな質問はなしってことで)
バブルの時代であった。
「高橋名人」という名を冠すれば、内容はともかく、何でも売れた時代なのだった。
その象徴が、この「Bugってハニー」である。
と、総括しつつ、オープニング映像を見直してみると、「ハニーちゃん」のかわいさに、思わず感心してしまった僕である。
天然パーマ気味のヘアスタイルであるハニーちゃんは、美少女とは言いがたいルックスである。
それでも、ハニーちゃんはチャーミングなのだ。
なんというか、今の「萌えキャラ」のように記号化されていない、かつてのアニメヒロインの美学を感じずにはいられない。
そんな、ハニーちゃんの必殺技は「金の針」攻撃というものであったらしい。
引用元:http://www.secret.ne.jp/~efil/bug/bug-anime.htm
伝統のヒロイン技ヒップアタックが、ハチであることで魅力倍増である。
うん、いいじゃないか!
「Bugってハニー」プロジェクトは失敗だったと思うが、主題歌とハニーちゃんの二つだけは色あせない魅力を残したと言えそうである。
(3) ハドソンの落日
ファミコン初期において、「ハドソン」は、もっとも勢いのあるゲームメーカーだった。
それを象徴するゲームが「スターソルジャー」である。
こちらは、前述した映画「GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦」の最終決戦である。
当時、子供たちにも「高橋名人と毛利名人だけはガチ」といわれていた一流テクニックをご堪能いただきたい。
1986年、ハドソンは、シューティングゲームの大会として「キャラバン」というイベントを全国各地で開催した。
そこでは、高橋名人や毛利名人などのツワモノたちが、子供たちの前でその腕を披露し、そして、近所最強レベルの子供たちが、その技を競い合ったのである。
格闘ゲームが流行する10年ほど前に、ハドソンはシューティング専門のイベントを大々的に行っていたのだ。
「Bugってハニー」は、そんな「ハドソン」絶頂期の翌年1987年に発売された。
抱き合わせとしか言いようがない、そのずさんなゲーム内容は、業界トップをひた走ろうとしたハドソンの限界を示していたのかもしれない。
それでも、その1987年に、ハドソンはNECと組んで、今では誰も語る者がいない次世代機「PCエンジン」を発表する。
ハドソンはファミコンで初めてのサードパーティーメーカーであった。
それが、PCエンジンの発売とともに、そのトップメーカーとして主流作を発表するようになる。
ファミコン、そして任天堂に、ハドソンは反旗をひるがえしたのだ。
しかし、PCエンジンは主流機にはなりえなかった。
それはNECがハード会社にすぎなかったのに比べ、任天堂が世界トップのゲームソフト会社でもあった、ということだ。
いくら、最先端の技術を取り入れようが、それがゲームの面白さにつながるわけではない。
PCエンジンのトップゲームメーカーとなったハドソンは、「枯れた技術の水平思考」を信条とする任天堂に、完膚なきまでに敗れ去ったのだ。
やがて、かつて世間を風靡したハドソンの名前は聞かれなくなる。
ボードゲーム「桃太郎電鉄」、アクションゲーム「ボンバーマン」という二大コンテンツだけで、何とか食いつないできたという印象を、僕を含め、多くの人は持っているのではないだろうか。
そんなハドソンも、今でもコナミの子会社ではあるが、ゲームメーカーとして、その名をのこしている。
高橋名人は、会社での肩書きも「名人」となり、公式ブログを毎日更新中である。
⇒http://www.16shot.jp/blog/index.html
高橋名人ブームは、「スイカ割り」などの子供だましの演出で彩られた部分があったものの、それでも、高橋名人は偉大な人であった、とブログを読みながら思う。
ファミコン時代には、様々な駄作が濫造された。
その理由を、多くの人はゲームメーカーのせいにした。
しかし、やりごたえのあるゲームを続々と発表してきたハドソンが出した「Bugってハニー」のクソゲーっぷりは、それ以外の何か、例えば、ゲーム業界で第一線でいることの難しさのようなものを、子供の僕に教えてくれたのだ。
ということで、僕は「Bugってハニー」をクソゲーの筆頭に掲げるわけである。
もちろん、今では数多くのクソゲーを、プレイせずとも知っているわけだけど。
【参考動画】
理不尽きわまりない「Bugってハニー」の攻略動画。
このエントリのキャプチャ画像は、この動画を利用させていただきました。感謝!
【その他、有名なクソゲーの紹介】
◆ゴーストバスターズ
「りり」という愛称で知られる「ゴーストバスターズ」は、同名映画のゲーム化だが、よくぞライセンス許可がおりたものだと感心してしまうほどの駄作である。
その内容のなさは、数あるクソゲーの中でも群を抜いている。
この外人プレイは、字幕の面白さもあって、実に楽しめる内容である。
こちらは、イオシスの紹介動画。
「史上最低のクリア画面」まで見ることができる。
この程度のゲームが全国に流通したことに、驚愕せざるをえない。
大ヒットした同名映画の主題歌。「ゴーストバスターズ!」のかけ声が楽しい。
それにしても、ゲーム化の際にこれ一曲だけでスタッフロールまで押し切るとは、映画関係者は誰一人思わなかったであろう。
◆パリ・ダカールラリースペシャル
もっとも、衝撃的なクソゲーといえば、この「パリ・ダカールラリースペシャル」であろう。
面を追うごとにクソゲーっぷりに磨きがかかるところが素晴らしい。
とりあえず、それぞれのステージ画面をキャプチャーしてみる。
オープニング。
「優勝すれば素晴らしい何かが待っている」とのこと。
さて、これが一面。
まさかのアドベンチャー形式である。
ラリーに出るまでをゲーム化するとは、その発想力だけは認めざるをえない。
これが二面。
ごく普通の(しかし、単調で面白味がないばかりか理不尽で中途半端な)レースゲームである。
これが三面。
まさかの迷路ゲームである。ストレスばかりがたまるダメゲーである。
これが四面。
まさかの横アクションである。ミサイルを発射して、敵を倒して進む。
時々、車から降りて、仕掛けを解かないといけないところが斬新である。
水中にもぐったりと、「ラリー」ゲームを期待して購入したユーザのことを完全に無視して、やりたい放題である。
これが五面。
もはや驚くに値しないシューティング面である。
野生動物を倒しながら進んで行くという、密猟者たちも真っ青の展開である。
これが六面。
さすがに飽きてきたのか、前面と見た目は変わらない。
ただ、なぜなのかは知らないが、戦闘機や戦車相手にバトルをしている。たいしたもんである。
これが最終面。
やはり、最後はレースゲーム(ただし、単調で退屈で中途半端できわめて理不尽)である。
そして、エンディング。
オープニングでの「素晴らしい何か」とは、夕陽のことだった、ってフザけんな、オイ!
ヘタに多様性を出そうとして、それがまったく面白さにつながっていないところが、この「パリ・ダカールラリースペシャル」の素晴らしいところ。
悪しき例として、後世に語り継がれるべきクソゲーであろう。
◆TM NETWORK LIVE IN POWER BOWL
小室哲哉が昔組んでいたユニット(今も?)「TM NETWORK」のゲームである。
こちらもゲーム画面をキャプチャーして紹介。
もちろん、小室哲哉も登場する。
世界の滅亡を止めるために、主人公はがんばっているらしい。
なぜか、迷路ゲームが始まりました。
そして、最後はレースゲームですよ!
ボリュームはたっぷりあるし、当時の未来観が味わえるシナリオはなかなか楽しめるので、「クソゲー」というよりは「ネタゲー」と表現したほうがいいかもしれない。
しかし、なぜ、アドベンチャーゲームに徹しきれなかったのだろうか。
「ファイナルファンタジーVII」のスノーボードぐらいの位置づけならばミニゲームとして楽しめるのだが、この最後のレースゲームは、かなり理不尽きわまりない難易度で、それまでのストーリーを忘れてしまうほどのものだっだ。
こういう中途半端なゲームを見ると、企画ミスというより、製作者の自信の無さを感じてしまう。
もしかすると、小室哲哉が余計なことを言っただけかもしれないが、ダメなものはダメである。その線引きは、ゲームクリエイターとして、しっかりやってもらいたい。
最近のゲームでも、プレイ時間を先延ばしにするとしか思えない要素が、僕はあまり好きではない。
「やりこみ」要素があっても、それが本筋のさまたげになれば、本末転倒である。
ゆえに、あえて、この「TM NETWORK LIVE IN POWER BOWL」をクソゲーの一つにあげたわけだ。
(こういうゲームは他にもいっぱいあるだろうけど)
◆星をみるひと
日本RPG屈指に残る駄作といえば、この「星をみるひと」
設定だけは面白いのだが、システムが悲惨きわまりない。
逃げることはできないくせに、絶対に勝てない雑魚キャラが存在し、移動速度が遅いだけならまだしも、マップの切り替え位置がおかしいのだ。
HPの下一桁が表示されず、レベルアップは効果音のみ、など、RPGとして必要最小限なシステムすら整っていない。
そもそも、町とフィールドのBGMを間違っているのではないか、という、根本的なプログラムミス疑惑が出てくるぐらい、ひどい内容なのだ。
それでも、BGMはやけにいい。
下のアレンジは、作業用BGMとしても快適である。
BGMだけが良くてゲームが悲惨、というのも、わかりやすいクソゲーの構図だと思う。
「チーターマン」とかね。
なお、この「星をみるひと」をリメイクしたフリーゲーム「STARGAZER」は、ゲームボーイ版「Sa.Ga」のシステムを採用していて、快適に楽しめるゲームデザインである。
まどろっこしいプレイ動画を見るぐらいなら、この「STARGAZER」をプレイすることをオススメする。
⇒星をみるひと リメイク計画
この「STARGAZER」をクリアすれば、「なーんだ、星をみるひと、って設定だけが良くて、結局、シナリオもクソだったじゃないか」と気づくはずだ。
もし、まともなシナリオがあったなら、制作スタッフは、もっと真面目にゲームを仕上げようとがんばったんじゃないか、と思う。